産業オートメーション

産業オートメーションと産業制御システム(ICS)のベンダにとって、遠隔診断、データ解析、予防的メンテナンス、資産ライフサイクル管理を新たな収益源につなげるチャンスが生まれています。一方で、プラントや工場の操業事業者であるエンドユーザは、下記の取り組みによって、ランニングコストの削減と収益率向上を図りたいと考えています。

新世代のマルチコア/ヘテロジニアスマルチコアプロセッサの登場で、充実した機能と接続性、高い信頼性と安全性、効率的な電力消費を特長とする機密性の高い産業システムの開発が可能になりました。メンター・グラフィックスの組込みソリューションは、新旧アプリケーション、最新技術、広範なセキュリティアーキテクチャ、次世代マルチコアプロセッサすべてを1つの産業デバイスに統合する際の課題解決を支援します。

 

注目パートナー

  • Softing AG: 産業オートメーション製品の世界的なプロバイダ
  • Icon Labs: 組込みデバイスメーカー向けのクラスプラットフォームのセキュリティソリューションプロバイダ
  • Wurldtech: インフラをサイバー攻撃から守るテクノロジの開発/テストプロバイダ

適用事例

  • 人工採油システム
  • ビルディングオートメーション
  • 寸法測定システム
  • 産業用制御装置
  • 空気圧系統
  • 精密測定システム
  • 地震計測システム
  • 切り替えスイッチ
  • など…

メリット

システムの融合

個別のシステムをひとつの装置に融合することを可能にするマルチコアプロセッサテクノロジの恩恵を受けて、産業オートメーションシステムと産業制御システムの合理化が進化しています。ランニングコスト削減と収益率向上という事業目標を達成するには、マルチコアデバイスを含めた新たな製品戦略を立て、処理性能の向上、ハードウェアによるセキュリティの実装、電力の管理、多彩な接続性オプションへの対応、安全基準への適合が必要です。

最新ホモジニアス/ヘテロジニアスマルチコアの次世代型プロセッサを使ってシステムをパーティショニングすることで、セキュアな次世代機能とレガシーアプリケーションを同一デバイス上で分離させ、物理的なフットプリントを最小化します。

最新マルチコアの複雑性に対処するには、高度に統合された開発ツールとソフトウェアが必要です。Mentor Embedded Multicore Framework(MEMF)を使用すると、1つのSoC上にホモジニアス/ヘテロジニアスプロセッサコアを混在させるとともに、複数のオペレーティングシステム(OS)とアプリケーションを構成し、マッピングできます。またこの包括的なフレームワークにより、ヘテロジニアスマルチコア/マルチOS環境上でプロセス間通信(IPC)、リソース管理と共有、プロセス制御に関わる課題に対処することが可能です。レガシーアプリケーションの統合には、非対称マルチプロセッシング(AMP)、対称マルチプロセッシング(SMP)、複数のシステムアーキテクチャなどを混在させた環境でゲストOS(Linux®、RTOS、ベアメタル)をサポートするMentor Hypervisorが便利です。

 

 

 

低消費電力化

今日では、効果的なパワーマネジメントを通じてプラントと工場の全体的な消費電力を削減することで、ランニングコストを抑える取り組みが進んでいます。また、デバイスのパワーマネジメントによってEMI/RFIの放出を制御することで、認証コストを最小化すると同時に、工場全体のインタフェースと相互運用性に対する課題に対処する試みもなされています。1つのSoC上に複数のアプリケーションとオペレーティング環境を統合すると、機能と性能の向上を期待できる一方、それに比例して消費電力が増加するという事態を避けることができます。

Nucleus RTOSで設計した産業デバイスにはもともと、アプリケーションプロセッサからバッテリ駆動のマイクロコントローラまで今日のプロセッサで利用可能な最新の低消費電力機能が備わっており、高いエネルギー効率を達成できます。Nucleus Power Management Frameworkの直観的な高度ソフトウェアAPIを使用して個々のデバイス、複数のデバイスから成るブロック、システム全体のパワーステートを制御します。単体のAPI呼び出しによる周波数スケーリング、ローパワーモードやスリープモードへのデバイス遷移が可能です。したがって、最も厳格な消費電力要件を確実に満たすための開発作業と同時平行的に、ソフトウェア開発者がアプリケーションの記述とテストを進めることができるようになります。

 

 

 

システムダウンタイムの削減

プラントと工場のダウンタイム、とりわけ予定外のダウンタイムは、ランニングコストと収益性に大きな影響を及ぼします。産業オートメーションのデバイス開発にあたっては、遠隔地からの予防的メンテナンス、多層防御の手法による堅牢なセキュリティアーキテクチャの採用に加え、高機能ツールを活用して、デバイスの本番稼働前に特性を完全に評価しておくことがなによりも重要です。

産業用デバイスの鍵となるのはシステムの信頼性です。Nucleus RTOSで設計したシステムは、オーバーヘッドプロセスモデルが小さく抑えられており、領域別パーティショニングによってソフトウェアのサブシステムがそれぞれ隔離されています。このため、あるサブシステムが故障してもその影響はそのサブシステム内に留まり、システム全体が影響を受けることはありません。メモリ管理ユニット(MMU)または(MMUのないデバイスにおいては)メモリ保護ユニットでパーティショニングすることで、仮想メモリがなくてもメモリ領域を作成できるなど、パフォーマンスも考慮されています。また、ランタイム後に必要に応じてプロセスを動的にロードし、アイドル時にはアンロードしてシステムリソースを有効活用します。インダストリアルIoT(産業用もののインターネット化)では、Nucleus RTOSのプロセスモデルとIoTプロトコルを使用したクラウドベースのサービスを利用して、システムのソフトウェアをアップデート/アップグレードできます。

産業オートメーション/制御システムのデバイスに搭載する機能にはなによりも高い信頼性が求められます。またデバイスの本番稼働前にシステム特性を徹底的に評価することも必要です。Sourcery CodeBenchには、製品ライフサイクルを通じたデバイス性能を完全に評価できる自動解析機能が備わっています。

 

 

 

システムセキュリティの実装と安全基準への遵守

産業制御システム(ICS)の安全性をいかに高めるかは長年の課題であり、多くの場合は必須要件でもあります。この業界は長年にわたって、セキュリティ基準の強化、セキュリティアーキテクチャに対する基本的な理解不足、アプリケーションのセキュリティを確保する合理的な技術の欠如に悩まされてきました。近年、マルチコアプロセッサ技術とハイパーバイザのパーティショニング手法が進化したことで、産業用セキュリティ基準をICSシステム認定のためのアプローチとして運用できる体制が整いつつあります。

Icon LabsのFloodgateセキュリティフレームワークは、セキュアで信頼できる組込みICSデバイスを認証し、管理するための基盤を提供します。メンター・グラフィックスのNucleus RTOSとMentor Embedded Linuxプラットフォームに統合されたFloodgateによって、クリティカルな構成ブロックのセキュリティ保護とIEC 62443要件への適合が可能です。組込みファイヤウォール、改ざん防止、セキュアブートの各種機能が付属したFloodgateセキュリティフレームワークは、エンタープライズレベルのセキュリティ管理システムとも統合できます。つまり、工場や企業の全体的なセキュリティ管理システムにICSデバイスを組み込むことで、セキュリティポリシーの遠隔運用、監査、イベントのログ記録など、全社的なセキュリティ向上に役立てることができます。

Wurldtech Achillesの通信認証は、つながり合う産業用デバイスの安全性を評価するための業界トップのベンチマークです。クリティカルなインフラの保護を目指すAchille認証は、サイバー攻撃のリスクを抑え、対応コストを削減するのに役立っています。この認証プロセスは、ブロードキャストストーム、ネットワークフラッド、IPパケットファザーなどの各種サイバー攻撃に対する産業用デバイスの堅牢性を評価することを目的としています。これにより、サイバー攻撃に適切に対処できるかどうかだけでなく、システムが攻撃されたときにパフォーマンスの中断や停滞を招くことなく稼動し続けられるかどうかも含めたデバイスの能力を検証できます。Nucleus RTOSのIPスタックソリューションは、AchillesのLevel 1とLevel 2のテストに求められる厳格な認証要件を満たしています。Nucleusのネットワークソリューションを利用して開発されたデバイスは、実証/認証済みのIPスタックに基づいているという確証を得られます。

工場内のシステムどうしがつながり合い、格納するデータ量が増えてくるにつれ、格納データのセキュリティ確保と検証も重要性を増してきました。Mentor Embedded Hypervisorは、クリティカルな情報とソフトウェアをセキュアに保つARM® TrustZone®をサポートしています。暗号化鍵、パスワード、そのほかの機密性の高いデータを安全に格納します。TrustZone環境はまた、ダウンロードしたソフトウェアの認証と検証、機密データの単純な処理など、情報を安全に処理する環境として運用することもできます。

IEC 61508 SIL3安全性認証の要件は、リコール、修理、身体的な危害のリスクに起因する訴訟に対する懸念とコストが増加したことが背景にあります。ソフトウェア開発者は、厳格なIEC 61508要件に準拠しつつ、機能豊富なデバイスに対応できる高難度なソフトウェアを期限内に、予算内に開発しなければならないという厳しい課題に直面しています。Nucleus RTOSであればIEC 61508 SIL 3の最高レベルの安全認証を満たしており、その認証プロセスを必要とされる文書とアーティファクトで補間します。システムのコストを削減するため、認証済みのNucleusプロセスモデルには、クリティカルな部分と非クリティカルな部分とが混在する設計のためのフレームワークが用意されています。安全性を確保するアプリケーションを安全でないアプリケーションとは隔離したうえでメモリ保護領域を作成することで、単体SoCに複数のソフトウェアを安全に統合できます。

 

 

 

ユーザインタフェース(UI)の開発  

組込みデバイス向けに高性能グラフィックスを使用したリッチなUIとHMIを設計

ユーザインタフェース(UI)の開発

メンター・グラフィックスの組込みソリューションを利用することで、ユーザの期待に応える高性能グラフィックスを活用したリッチUIをマイクロコントローラ(MCU)とマイクロプロセッサ(MPU)の両方に対して開発できます。ドライバからミドルウェアレイヤまでを開発するNucleus RTOSとMentor Embedded LinuxのプラットフォームにオープンソースのQtフレームワークとプロプライエタリUIソリューションが統合されており、Sourcery CodeBench開発ツールも完全にサポートします。グラフィックの最適化とシステムパフォーマンスの解析/チューニングをすべてこの統合ツールで完結できるため、複数のプロセッサとQtアプリケーションイベントの両方の振る舞いを同じタイムラインで可視化することが可能になっています。

関連製品

Sourcery CodeBench

Sourcery Analyzer を搭載したSourcery CodeBenchにMentor Embeddedランタイムプラットフォームが統合され、より高度な開発者向けツールとなりました。プラットフォームレベルとアプリケーションレベルの両方に対応した先進トレース機能と独自の強力なデータ解析/可視化機能によるデバッグでシステム上の不具合をゼロにします。

Mentor Embedded Linux

ソースコード形式で提供されるLinuxディストリビューションとこのツールスイートを組み合わせることで、Yocto Projectへの適合、プロトコルのサポート、SELinuxなどのセキュリティコンポーネントの追加、カーネルとアプリケーショントレースによるシステムキャラクタライゼーションが可能です。

UI開発ソリューション

高性能グラフィックスを活用したリッチなUIの設計を可能にする、MCUプラットフォームとマイクロプロセッサプラットフォームに対応したUIソリューションを用意しています。Nucleus RTOS、Mentor Embedded Linux、Mentor Embeddedハイパーバイザのプラットフォーム上でオープンソースのQtとTara Systems Embedded Wizardを実行できます。

Mentor Embedded Hypervisor

オペレーティングシステムに依存しない、ソースコード形式のType-1ハイパーバイザです。マルチOSデバイスの管理、セキュア/非セキュアアプリケーション環境の構築、シングル/マルチコアのアーキテクチャのサポート(対称型/非対称型マルチプロセッシング)を可能にする小フットプリントのフレームワークなどの主要機能を産業オートメーション装置の開発者に提供します。

Mentor Embedded Multicore Framework

単一SoC上にホモジニアスとヘテロジニアスの両方のプロセッサコアを混在させた複数OSとアプリケーションを構成、マッピングするためのソリューションです。プロセス内通信、リソース管理/共有、プロセス制御(remoteprocとrpmsg)をヘテロジニアスマルチコア内やマルチOS環境内で実現する際の多くの課題に対処します。

Nucleus RTOS(リアルタイムオペレーティングシステム)

パワーマネジメント、メモリパーティショニング用軽量プロセスモデル、SMP/AMPコンフィギュレーションなど産業用の最新プロトコルをサポートしている、機能豊富でデターミニスティックなリアルタイムOSです。リソースが限られたMCUプロセッサに合わせてセキュリティ、ネットワーク、接続性の機能を絞り込み、フットプリントを小型化しました。Nucleus RTOSにはIEC 6150安全性規格認証に必要な文書とアーティファクト、Wurldtech Achilles認証済みのIPスタックが含まれています。

 
 

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