技術文献
電装設計のコストと時間を削減するデータ一元化ツール
自動車の電装システム設計においては、「まず図面ありき」という姿勢が各プロセスを貫いているのが一般的で、伝統的とも言えるでしょう。しかし、プラットフォームが論理設計、物理設計、さらに先の段階へと進むにしたがって増え続けるデータに関して、図面は限られた1 つの観点を提示しているに過ぎません。では、他の観点はどうでしょうか?これらも重要性において決してひけをとりません。例えば、調達の立場(設計上、必要になる部品はどれか)、エンジニアの立場(これらのスイッチをオンにした場合、実際にモータを稼動できるかどうか)、そして監査の立場(最新の設計データかどうか、サインオフ済みかどうか)などです。
車両設計において、増大するコストと複雑性(そしてこれらの相互作用)が主要課題となっています。これらの課題に対する体系的なソリューションとして、データを一元化した設計フローが自動車OEMとサプライヤの注目を集めはじめています。設計のどのステージにおいても、一貫性のあるデータが容易に入手できるからです。
データが一元化された環境では、データがすべてを支配します。同期されたデータは、ドメイン間や異なった構造の間をシームレスに流れ、全ツールが共通のデータモデルを使うことができます。設計プロセスのあらゆる段階で、車両の全部品を(共通のデータモデルで)表現することが可能になります。したがって、製品の企画、設計、プロセス監査の担当者ならびに調達に関わる全員が同じデータに基づいて解析と視覚化を行うことになります。
その他の技術文献
電気自動車の時代を告げる最新のEDS設計ツール
電気自動車プラットフォームの発展とともに設計者が抱える課題は増大しています。配線システムにおけるバッテリの配置や、高電圧レベルの信号と低電圧レベルの信号の間のクロストーク除去など、問題は多岐に渡っています。今日の最先端のEDS(車両内配線システム)設計環境には、製品計画の実現や今後の純電気自動車の需要を支える上で必要な機能が盛り込まれており、設計者のニーズに応えています。
知識流失を防ぐ:自動車/航空宇宙産業における知識継承のための方策
職場の高齢化、製品の複雑化、設計検証に関する法規制の強化、設計期間の短縮、設計チームの規模縮小といった問題に直面している多くの企業で今、知識継承が大きな課題となっています。旧来型のソフトウェア設計ツールは図面の作成に重点を置いており、知識の蓄積に関する機能はほとんどありません。これに対し、最近の電気設計ツールはプロセスに重点を置いており、知識の蓄積と継承に関する問題に体系的に対処できます。
高度化が進むワイヤ・ハーネス設計ツール
本稿では、乗用車、トラック、オフロード車両の電気/電子設計エンジニアが直面している複雑な配線の問題について論じます。まず設計の複雑化を招いている要因として、急速な技術の進歩、安全性や環境保護に関する法規制の強化、消費者ニーズの高度化などの点を指摘した上で、車両の電装システムの複雑化や製造コストの高騰がもたらす影響について考察します。最後に、現在の設計手法に対する改善策を提案し、設計から製造、保守までのフローに特化したツールセットを紹介します。
ワイヤ・ハーネス設計のアプローチを見直しつつある航空宇宙産業
これまで、航空宇宙産業はワイヤ・ハーネスの新しいエンジニアリング・テクノロジやプロセスの導入に消極的と見られていました。事実、多くのメーカーが内製システムを開発し、各社特有の設計/製造プロセスに特化したツールを使用しています。こうした中、機体の電気システムを定義し、複数の電気システムを統合する作業を担当している部門は機体設計全体の中でも特に困難な課題に直面しています。
一般に、これらの部門は人員が少ないわりに業務の幅が広く、しかも頻繁に発生する設計変更を適切に管理することが要求されます。しかし新しいワイヤ・ハーネス・テクノロジやプロセスを採用したくても、最終成果物の品質を維持したまま移行するのは難しいと感じている企業が特にOEM を中心に多いのが現状です。
ごく最近まで、一般的な電装システムやワイヤ・ハーネスの開発ツールは複雑な電気配線システムの開発に耐えうるソリューションとは見なされていませんでした。しかし最近の航空機システムや配線デザインは従来の機械/空気力学システムよりもむしろ電気システムとしての性格を強めており、機体全体の電気アーキテクチャはますます複雑になっています。こうした中、多くの企業が既存のソリューションのエンジニアリング機能に不満を感じるようになっています。その一方で近年新しい強力なテクノロジが登場しており、多くの企業が再評価の目を向けるなど、この業界の既成概念が覆りつつあります。