Veloceベースのインサーキット・エミュレーション(ICE)

インサーキット・エミュレーションではVeloceを使用してSoCをモデリングし、このシステムを物理的なターゲット・デザイン検証環境に接続した状態で、実際に使用されるデータをDUTに与えながら組込みソフトウェアを実行します。この検証モードは、実際のシリコンを立ち上げる作業に相当します。

このICEモードでは、エミュレーション対象デバイスのI/Oを立ち上げるためのターゲット・システムに接続することで、再構成可能なDUTをあたかも製造後のデバイスと同じように組込みソフトウェアとオペレーティング・システムを使って動作させます。これにより、DUTのデザインとソフトウェアがまだ流動的な段階でもDUTとソフトウェアの完全なシステム統合とテストが行えます。

VeloceではDUT内部のネットとレジスタに対して100%の可視性が得られるほか、シミュレータ感覚のデバッグ・ツール群も用意されています。また、Veloceにはメンター・グラフィックスのMentor Embedded Sourcery Probeなど、市販のプロセッサを搭載したインサーキット・ソフトウェア・デバッグ・ツールを接続するためのJTAGインタフェースも用意されており、設計チームは設計の問題点を短時間で突き止めることができます。しかも、DUTは再構成できるため、問題点を発見、修正してエミュレータで検証すれば、シリコンの設計を確定する前に「リスピン」に相当する作業を何度でも行うことができます。

DUTデザインと実際のテスト環境の統合を支援するため、Veloceには様々なアプリケーションに対応した既製のソリューションが数多く用意されています。これらのソリューションは、iSolveアプリケーション・ソリューション製品ファミリとして提供されています(図1)。

iSolveでサポートされるアプリケーション(クリックすると拡大します)

インサーキット・エミュレーションでは、実際のデータを使用してMHzの速度でDUTを検証できるため、ソフトウェア・シミュレーションだけでは検証できないコーナーケースもテストできます。重要なのは、ファースト・シリコンを受け取る前にこのような検証を実行できることであり、これにより、ファースト・シリコンの品質が大幅に向上し、デザインの機能エラーによるシリコンのリスピンというプロジェクトにとってのリスクを最小限に抑えることができます。

関連製品

  • Veloce 組込システムおよびSoC設計の検証を行う高性能、ハイ・キャパシティのハードウェア支援ソリューションです。
  • TestBench XPress Veloceの協調モデリング・ソフトウェア・アプリケーション、TestBench XPress(TBX)により、Veloce SoC検証システムは、トランザクションレベル・モデリング(TLM)ソフトウェア・シミュレータの最大1万倍速で動作する、TLM検証エンジンになります。
  • HDL Link HDL Linkは、Veloceシステムを(1)Questaシミュレータと併用して混在レベル・モデリングの協調シミュレーション・モードで動作させる、(2)単独で高速なFRDB(Fast Regression Database)モードで動作させ、ブロックレベルおよび完全なSoCリグレッション・テストの動作速度を数百倍向上させるためのアプリケーションです。
  • iSolve iSolveアプリケーション・ファミリは、事前設定済みの柔軟なソフトウェア・モデルとVeloceファミリ専用のハードウェア・サブシステムで構成されたソリューションです。これらのモデルとサブシステムは、完全な高性能SoC検証環境を短期間で構築する上で課題となるSoCモデリングと実テストの問題を解決します。
  • Questa Advanced Simulator メンター・グラフィックスが提供する先進の検証環境Questaは、あらゆる検証フローの品質、生産性、予測性を改善する唯一の統合検証プラットフォームです。
  • Questa Formal Verification 0-In Formal Verificationソリューションは業界トップクラスのキャパシティと性能を誇り、発見が極めて困難なバグも確実に検出します。

関連情報

Veloceベースのシミュレーション・アクセラレーション

Veloceベースのシミュレーション・アクセラレーションでは、ブロックレベルおよび完全なSoCのリグレッション・テストを数百倍から数千倍高速化することができ、(1)ブロックおよび完全なSoCのRTL開発時にも、(2)ポストシリコン検証時の変更後のリグレッション・テストの加速にも対応します。