Veloceベースのシミュレーション・アクセラレーション
Veloceベースのシミュレーション・アクセラレーションでは、ブロックレベルおよび完全なSoCのリグレッション・テストを数百倍から数千倍高速化することができ、(1)ブロックおよび完全なSoCのRTL開発時にも、(2)ポストシリコン検証時の変更後のリグレッション・テストの加速にも対応します。Veloceの特長として、シミュレーション感覚のデバッグ環境、DUT内部に対する100%の可視性、従来から使用されているブレークポイントや制御機能に加え、アサーションベース検証(ABV)のサポートなどが挙げられます。
Veloceは、シミュレーション・アクセラレーションに関して以下の4つの動作モードをサポートしています。
- 協調シミュレーション
HDL LinkとQuesta(または他社製シミュレータ)を利用した協調シミュレーションでは、デザインの一部をソフトウェア・シミュレータ用とし、デザインの一部または全体をVeloceシステムで扱うミックスレベルのシミュレーション・モデリングが可能です。ランタイム制御とデバッグはシミュレータを利用して行います。アクセラレーションの度合いは、ハードウェアでモデリングするデザインの量によって左右されます。 - トランザクションベースのアクセラレーション
トランザクションベースのアクセラレーション(協調モデリング)では、TestBench XPress(TBX)とホストベースのトランザクションレベル・テストベンチを使用し、Veloce内にコンパイルされたトランザクタを駆動してDUTを動作させます。C/C++またはSystemCで記述されたテストベンチについては、TBXとVeloceを直接接続してテストベンチ・プログラムを実行できます。SystemVerilogで記述されたテストベンチの場合は、TBXがホストPC上でQuestaを実行してVeloceベースのトランザクタとDUTでテストベンチを駆動します。 - パターンベースのリグレッション・アクセラレーション
パターンベースのリグレッション・アクセラレーションでは、ベクタベースのテストベンチを高速にストリーミングします。VeloceのHDL Linkソフトウェアが協調シミュレーション実行時に入力テストベンチと出力ベクタをキャプチャし、テストベンチのラッパーとなるCプログラムを生成します。そして、Cベースのリグレッション・テストを利用してVeloceを高速で駆動します。HDL Linkは、アクセラレーション・シミュレーションの実際の出力と、先にキャプチャして得た期待値を照合します。 - 合成可能なテストベンチのリグレッション・アクセラレーション
合成可能なテストベンチのリグレッション・アクセラレーションは、合成可能なテストベンチを最も高速化できる動作モードです。VeloceのソフトウェアがVeloceのハードウェア内部にテストベンチを合成し、ハードウェア内でテストベクタの生成が可能な自己完結型(自身にスティミュラスを与える)の環境が構成されます。
これらのシミュレーション・アクセラレーションでは、ソフトウェア・シミュレータとサーバを使用した場合に比べてテスト実行時間が短縮されるため、プロジェクト工期のリスクとコストを抑えられるほか、数百台のシミュレーション・サーバを連続稼働させた場合より消費電力を削減します。