コンシューマ・エレクトロニクス
コンシューマ・エレクトロニクス業界では、画期的な新製品をより短期間で市場に投入する必要性が高まっています。「デジタル融合化」の進行によって、インターネット・ブラウズやHD/ストリーミング・ビデオなどの高度な機能を備えた革新的な新製品が生まれつつあると同時に、さらなる消費電力の削減も求められています。
多くの場合、これら製品はアプリケーション固有のプラットフォーム(ワイヤレスやデジタルTVなど、特定の機能を実現するために複数のIPを構成可能な形で統合したもの)に基づいて開発されますが、より豊かなユーザ体験を提供して競争力を強化するために、機器に搭載されるソフトウェアの量が急速に増えています。ユーザに最適な体験を提供できるハードウェア/ソフトウェア・アーキテクチャであるかどうかを検証するには、システム全体のパフォーマンスを短期間で解析する必要があります。パフォーマンス低下の原因となっている動作を早期段階で検出して解決することにより、強力なプラットフォーム設計を実現することが可能になります。製品の発売スケジュールを守るには、効果的な機能検証が欠かせません。
設計上の課題
この業界の設計プロジェクトでは、検証に関して次のような共通の課題があります。
消費電力の要件に関する検証
コンシューマ・エレクトロニクス業界では、消費電力が市場での製品の成功を左右する大きな要因となります。小型の携帯機器に限らず、その他多くのアプリケーションで省電力性が求められています。システムレベルの消費電力見積もりツール(Vista)や省電力回路の正確な機能検証ツール(Questa)など、メンター・グラフィックスのソリューションは、回路設計が消費電力の目標を満たしているかどうかを検証する上で非常に重要な役割を果たします。
プリシリコンのシステム検証
最近は多くのコンシューマ・エレクトロニクス製品にソフトウェアが搭載されるようになっており、テープアウトやFPGAの製造に移る前にシステム全体(ハードウェアとソフトウェア)の検証を行う必要性が高まっています。メンター・グラフィックスは、システムのビヘイビア・モデリングからVistaによるトランザクションレベルの解析まで、幅広いソリューションを提供しています。例えばRTLレベルでのハードウェア/ソフトウェア協調検証はSeamlessで行い、ハイ・キャパシティ、高性能のエミュレーションはVeloceで行うことができます。
システム全体/チップレベルの検証
特に量産型の家電製品の多くで採用されている大規模なアプリケーション・プラットフォームでは、チップレベルの検証は非常に難しい作業になります。そこでまず必要になるのが、Questaのように様々な抽象度(TLM、RTL、ゲート)を扱える高性能、ハイ・キャパシティのシミュレーション環境です。それだけでなく、高性能/低消費電力を両立した高度なアーキテクチャを設計するには、Questa CDCによる非同期検証、Questa Codelinkによるソフトウェア・インテグレーション、Questa ADMSによるミックスシグナル検証なども必要なります。
テストベンチ開発の生産性
最近の複雑なチップでは、設計自体よりテストベンチの方が、より多くのコード量を必要とすることもしばしばです。このため、テストベンチ開発の生産性を向上させるメソドロジやツールが欠かせません。そこで重要な役割を果たすのが、OVM(Open Verification Methodology)です。OVMは、テストベンチの構造を定義することによって、制約付きランダムテストやカバレッジドリブン検証の効果を最大限に引き出します。メンター・グラフィックスは、OVMテストベンチの作成時間を短縮してOVMを容易に採用できるようにするため、OVMテストベンチの作成、開発、解析を自動化する業界最高水準のツールを提供しています。Questa inFactインテリジェント・スティミュラス・モジュールとQuesta MVC検証IPを統合することにより、完全かつ強力なソリューションが実現します。
検証資産の再利用
検証資産を有効に再利用することは、生産性の向上に極めて大きな効果があります。OVM(Open Verification Methodology)の開発に至った最大の動機も、この点にありました。OVMによってテストベンチのアーキテクチャが確立されただけでなく、検証IPの市場も立ち上がりました。メンター・グラフィックスのQuesta MVCに用意されているVIPライブラリはOVMベースのテストベンチにシームレスに適合し、一般的な標準規格の多くをサポートしています。これと同時に、メンター・グラフィックスとサードパーティの共同によるQuesta Vanguard Programからも多くのVIPが提供されています。さらに、Cベースのテスト用ソリューションが必要な場合はQuesta Codelinkによるプロセッサドリブン検証メソドロジ(PVM)が大いに役立ちます。
検証スケジュールの予測性
どのようなプロジェクトでもスケジュールの予測性が重要なのは当然ですが、コンシューマ・エレクトロニクス製品は厳しい納期が設定されるため、このことは特に重要になります。検証プロセスに関する正確なメトリクスを用意し、このメトリクスを使用して検証プロセスを管理することが、スケジュールの可視性を高める上で重要な役割を果たします。そしてこの役割を果たすのが、Questaの検証マネジメント機能とUCDB(Unified Coverage DataBase)です。UCDBには、要求仕様追跡性のためのReqTracerをはじめ、Questa inFact、Questa MVC、Questa Formal Verification、Questa CDCなどのツールからもアクセスできるため、完全なメトリクスドリブンのソリューションが実現し、スケジュールの予測性が大幅に向上します。
デジタル/アナログ・インテグレーション
最近はほとんどすべてのチップにアナログ回路が含まれているため、ミックスシグナル検証用の正確で高性能なソリューションが不可欠になっています。こうした要求に応えるため、メンター・グラフィックスの検証プラットフォームにはQuesta ADMSとICanalyst CBの製品群が用意されています。これらはQuestaプラットフォームにシームレスに統合されており、アナログを含めてすべての抽象度で完全なシミュレーションを行うことができます。
ツールボックス
- 技術文献 : 高品質CDC検証のための5つのステップ
- 技術文献 : シナリオ・ベース・スティミュラス生成の概要
- 技術文献 : インテリジェント・テストベンチの自動化: 約束から現実解へ
- 技術文献 : マルチコア・デザインにおける同期障害のデバッグ
- 業界記事 : カバレッジ達成までのループを短縮
- 業界記事 : TLMへの橋渡しとなるIPの構築
- オンデマンドWebセミナー : QuestaとModelSimによるシミュレーション性能の向上
- オンデマンドWebセミナー : Questa CDCによる効果的な非同期検証
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