メンター・グラフィックス、 Eldoシミュレータのパフォーマンス 汎用マルチスレッド技術で大幅に向上

2008年11月06日

メンター・グラフィックス・コーポレーション(本社米国オレゴン州、以下メンター・グラフィックス)はEldo®トランジスタ・レベル・アナログ・ シミュレータの新バージョンを発表しました。この新バージョンでは精度に妥協することなく純粋な処理速度の向上が実現されています。この処理速度の向上 は、45nmプロセス以降で複雑な回路を検証するために必須となる、大規模なポストレイアウト・シミュレーションをターゲットとしたものです。

最終検証のシミュレーションには、複雑なレイアウトから抽出された数十万のデバイス、数百万のカップリング寄生素子が含まれるケースが多くあります。

こ のように数百万のカップリング寄生素子を含むマトリクス演算を可能にするため、Eldoシミュレータには相乗効果のある2つの主要な改良が加えられまし た。1つ目は、全面的に新しくなったマトリクス演算エンジンで、以前のバージョンと比較して劇的な速度向上が実現されています。2つ目は、新しく開発され たスケーラビリティに優れたマルチスレッド技術です。これにより、ユーザはマルチCPUハードウェアをより有効に活用できるようになりました。

例 えば4 CPUを使用した場合、寄生要素に対するアクティブ・デバイスの比率に応じて3倍から10倍の速度向上が確認されています。この新しいアーキテクチャの有 効性は、"小規模な"PLLやAD/DAコンバータから非常に大規模な電源回路、またDRAM回路までを含む何千もの回路で検証されています。平均的に見 て、大規模な回路でより顕著な速度向上が確認されています。この速度向上により、純粋なSPICEレベルの精度で解析するには全く規模が大きすぎるような 回路にも検証の可能性が拡大できます。電源ネットやクロックツリーもこのレベルのシミュレーションが十分適用できるようになりました。

45nm プロセスでは、ポストレイアウト・シミュレーションはシリコン・リスピンを避けるために必須であるだけでなく、これらのシミュレーションでは抽出された配 線間の詳細なカップリング効果を完全に考慮する必要があります。これらの寄生要素のほとんどは微少な抵抗や容量によって構成されています。しかし、数百の 要素がノードに付加されることによって、パフォーマンスや場合によっては機能にも大きな影響を及ぼします。

「この開発プロジェクト において、シミュレーション精度で妥協するという選択肢はありませんでした。IC設計者は正確なポスト・レイアウトのネットリストを得るのに相当の工数を 費やしており、SPICEシミュレータでリダクションすることにより、寄生要素を無視したくはありません。信頼性の高いアナログ・シミュレータのタスク は、リーズナブルなCPU時間でおおよその波形がでるように巧みに入力されたネットリストを加工することではありません。メンター・グラフィックスはお客 様の意見を基に、お客様が現在直面されている課題に対応するために適切な技術を開発しました。高度な数学および先端コンピュータ工学を駆使し、効率的、且 つ汎用マルチスレッド処理に適した、専用のマトリクスソルバーを開発しました。これにより1個のカップリング寄生容量も無視せず、1桁の精度も失わずに処 理が可能です。」メンター・グラフィックスのVice President and General Manager、Jue-Hsien Chernはこのように語っています。

マ トリクス演算とデバイス評価を含むシミュレーション・プロセス全体が効率的にマルチスレッド処理され、CPUの数に応じて速度がスケールアップできるた め、設計者には大きなベネフィットがあります。この速度向上にはオプションや処理工程のチューニングが一切必要ないため、生産性および/または検証カバ レッジの向上に直接つながります。

この新しい技術はADVance MS™(ADMS)ツール(メンター・グラフィックスのデジタル/アナログ/ミックスシグナル/RF回路向けマルチ言語対応、シングルカーネル機能検証環 境)に完全かつユーザが意識しない形で統合されています。この新しいバージョンのシミュレータはAMS 2008.2リリースの一部です。

メンター・グラフィックスのAMSシミュレーション技術
メンター・グラフィックスのADMSはデジタル、アナログ、ミックスシグナルおよびRF回路に対応した、マルチ言語対応、シングルカーネル機能検証環境で す。このプラットフォームは、アナログ・シミュレーション用のEldo、デジタル・シミュレーション用のModelSim®、高速トランジスタ・レベル・ シミュレーション用ADiT™、およびRFシミュレーション用Eldo RFの4つの高性能かつ実績豊富なシミュレーション技術をベースとして構築されています。ADMSはVHDL、VHDL-AMS、Verilog、 Verilog-AMS、SystemC、SystemVerilog、SPICE、Cを含む、ミックスシグナル・システムおよびSoCの設計、検証のた めの言語のほとんどをサポートしています。ADMSは発売以来幅広く支持を得ており、現在数百社で導入されています。

メンター・グラフィックスについて
メンター・グラフィックスは、EDA(Electronic Design Automation)のテクノロジ・リーダーとして、高性能な電子機器を短期間でよりコスト効率よく開発するためのハードウェアおよびソフトウェアのソ リューションを提供しています。ますます複雑化する基板およびチップ設計の世界でエンジニアが直面する様々な設計上の課題を克服するための革新的な製品お よびソリューションを提供します。メンター・グラフィックスは業界で最も幅広いクラス最高の製品ポートフォリオを有し、EDAベンダとして唯一組込みソフ トウェア・ソリューションを持っている企業です。メンター・グラフィックスについての詳しい情報はhttp://www.mentorg.co.jpをご覧ください。

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