技術文献
Calibre xACT 3Dフィールド・ソルバ
抽出精度と寄生素子の感度解析
株式会社半導体理工学研究センター(STARC)では、ミックスシグナル設計技術開発プロジェクトにおいて、次世代アナログMixed Signal設計対応キーツールの先行評価を行っています。その中で寄生抽出ツールにおいては、プロセス微細化に伴ってますます高精度な抽出が要求されており、SPICEパラメータと寄生抽出ツールとでダブルカウントされないよう整合の取れたシステムを構築する必要があります。しかしながら、従来はデバイス近傍の容量を成分ごとに高精度に抽出するツールが無く、本格的な検討ができない状態にありました。
このような状況のもとで、2010年以降、新たな寄生抽出ツールが登場したことにより、本課題を検討する環境が整いつつあります。そこで、STARCでは、デバイス近傍の容量を成分ごとに精度良く抽出して新たなリファレンスを作成し、主要ツールの相対精度評価を実施し、各成分が回路特性に及ぼす影響を調査し、上記整合性の取れたシステム開発のための基盤技術を開発しました。
今回、Calibre xACT 3Dを使用して、個々の寄生素子の回路特性への影響について測定と解析を行いました。この結果から、Calibre xACT 3Dを組み込んで先端抽出フローを構築する利点が明らかになりました。
その他の技術文献
Calibre PERC導入による信頼性検証改革のベストプラクティス
プロセス・ノード微細化の急速な進行を受けて、信頼性検証に大きな関心が集まっています。電子機器や半導体のサイズ縮小とともにデバイス酸化膜が薄くなり、かつ複数の電源電圧を有するデバイスが急増しており、設計と検証は最小プロセス・ノードに限らず全般的に複雑化する一方です。ここ5年前後は機能の多様化と電力効率の向上のために、すべてのプロセス・ノードで設計が複雑化してきています。とくに著しい傾向は、自動車、医療、通信分野のアプリケーションにおいて、高い信頼性の要求されるデジタル・コンテンツが劇増したことです。
Calibre PERCを使用した静電気放電(ESD)に関する設計課題の解決策
テクノロジ・ノードの微細化は、電源の供給電圧余力の減少、配線の寄生抵抗(Rp)と寄生容量(Cp)の増加、より厳しいエレクトロ・マイグレーション(EM)抑制、ラッチアップ、静電気放電(ESD)破壊など、回路不良を引き起こす設計課題を生み出しました。このような問題はナノメータ世代に突入してはじめて生じたものではなく、徐々に深刻化しています。現在、設計の堅牢性と動作の信頼性を確保するためには、回路検証時にこうした問題を解決する必要があります。
本稿は、今日の回路設計におけるESD保護の必要性を確認し、ESD検証の要件定義を考察した後にメンター・グラフィックスのCalibre PERCツールとCalibreプラットフォームを用いて、大規模で複雑な回路設計を高速、高精度、包括的にESD検証する方法を解説します。
Calibre RealTime: サインオフ検証をカスタム設計者の手に
プロセス・テクノロジが進化するたびに物理検証に新たな課題が生まれます。この10年で、新世代プロセスのデザインルール・マニュアルは数十ページの簡単なパンフレットから数百ページにも及ぶ膨大なものに成長しました。この成長は描画レイヤ数の大幅な増加(メタルレイヤ数が11以上となることも珍しくはない)、レイヤごとのチェック項目数の増加とチェックの複雑度の著しい増大によりもたらされたものです。その結果、デザインルール・マニュアルの制約条件をソフトウェア命令に変換するデザインルール・チェック(DRC)デックも同じように劇的に増大しました。さらに、個々のプロセス・テクノロジが複雑化したためにファウンドリは製造フェーズの後半になってから問題を発見し、量産開始後であってもデザインルール・マニュアルとDRCデックを修正/更新しなければならなくなっています。
進化するゲートとビアの寄生抵抗抽出
サイプレスは最近、ゲートとビアの寄生抵抗を抽出する方法を変更しました。メンター・グラフィックスの寄生素子抽出ツールであるCalibre xRCにおいて、PEX VIA REDUCTION COUNTに直接数値を指定してビアをグループ化するのではなく、すべてのレイヤにPEX VIA REDUCTION RESISTANCEでFLEXIBLE(FLEX)オプションを宣言し、ユーザが指定したものにだけSTANDARD COUNT変更子を適用することで、ノード数を減らし、必要な精度に上げることができるようになりました。サイプレスでは、トランジスタの寄生抵抗をゲート幅の半分、つまりシードレイヤの中央までとして抽出します。片側しか接触していないゲートの場合、抵抗は半分になります。より正確には1/3になることが実験から分かっています。実験と同等の正確さを期すため、サイプレスの現在のフローはRESISTANCE DEVICE_SEEDを使用してポリ領域の抵抗値を低くしています。また、ゲート・デバイスをポリとして扱うことにより、キャパシタンスの精度を維持しています(CAPACITANCE ALIASを使用)。本稿では、Calibre xRCを使用して寄生抵抗を抽出する方法の変遷について述べます。
Calibre xACT 3D による高度なメモリセル・キャラクタライゼーション
コンピュータ・チップを製造するための先端プロセス・テクノロジによって、チップの小型化、多機能化、高性能化、省力化が実現されています。チップのメモリビット密度は、高性能化への需要に追随するために、2 年ごとに倍増していくと予測されています。メモリは、高速データ転送と低電力消費の仕様を正確に満たす必要があります。
メモリ設計者は、これらの性能と電力の仕様を満たすために、ビット密度を高めることを求められています。高密度化が進むほどインターコネクトとデバイス間の相互作用が増大するため、実際の設計余裕を考慮して設計しなければなりません。そのため、メモリ設計のステップごとに正確なキャラクタライゼーションが必要となります。
これらの最先端テクノロジとより高いビット密度は、メモリ設計における寄生抽出の問題を引き起こします。メモリ設計で従来使用されていた抽出方法では、これらの問題を解決できないため、新しいソリューションが必要です。メモリ設計者には、物理設計サイクルの各段階での寄生問題の正確かつ迅速な解析、および基本的なビルディング・ブロックからフルチップまでの最先端メモリの設計を支援できるツールが必要です。
Calibre xACT 3Dは、ビットセル設計からフルチップ・サインオフまでメモリ設計のすべての段階で使用する抽出ツールとして、仕様どおりに動作する堅牢な設計を保証します。
Calibre nmDRCのeqDrc(equation-based DRC)機能に基づく近似リソグラフィ・シミュレーション検証の実例
ナノメータ設計で1 次元測定を使用する設計者にとって、処理中に過度の偏差を生じやすい形状を識別することは容易でありません。プロセス・シミュレーションを行えば高分解能のチェックが可能ですが、大量のコンピューティング・リソースが必要となります。モデル式ベースのデザイン・ルール・チェック(eqDRC)は、多次元式を使用する複雑なプロセスの問題に対応可能なデザイン・ルール・チェック(DRC)能力を提供します。ただし、eqDRC の採用に当たっては、モデル式の定義とキャリブレーションが課題になります。本稿では、リソグラフィック・シミュレータを使ってeqDRC のモデル式の定義とキャリブレーションを行う方法について説明します。