Calibre Pattern Matchingは、数十~数百ものルールで記述された従来のテキストベースのDRCに代わり、ビジュアルな幾何学形状を自動でキャプチャおよび比較することによってルールデックのサイズを大幅に削減しながら、複雑な幾何学形状を検出することができます。
Calibre Pattern Matchingを使用すると、現在の複雑な制約条件をインプリメントできるだけでなく、設計、製造、テストチーム間の一貫性を高めながら円滑なコミュニケーションが実現します。
特長と利点
Calibre Pattern Matchingの特長
- 使い慣れたGUI環境またはバッチ・スクリプト環境を利用してパターンを自動でキャプチャ
- 完全一致を指定するか、パターン制約条件によるばらつき制御を追加することが可能
- 他のCalibreツール群と共通のSVRFデックを使用
- Calibre nmDRCが動作するすべての主要な設計環境で実行可能
ルールデックのサイズを抑え、正確なルールチェックを実現
Calibre Pattern Matchingでは、これまでテキストベースのスクリプトでは定義が困難、または不可能とされてきた複雑な制約条件やルールチェックも短時間で正確にインプリメントでき、ルールデックのサイズも大幅に削減することができます。
使いやすさ
Calibre Pattern Matchingでは、パターンの作成も簡単に行なえます。Calibre DESIGNrevまたはCalibre Workbenchを使用してパターンを描画したら、次に完全一致を指定するか、パターン制約条件によるばらつき制御を追加します。このほか、Calibre Pattern Matchingの自動フローを利用して既存のCalibre nmDRC/LFDのエラー・マーカーから数百~数千個のパターンを1回の工程でキャプチャすることも可能です。
チーム間コミュニケーションの改善
設計、製造、テストチームでパターン・ライブラリを共有するため、フロー全体のチーム間でデータの一貫性と精度が確保されます。Calibre Pattern Matchingなら、歩留まり低下の原因となるパターンを見つけたらすぐに正確な更新情報を送ることが簡単に行えるため、インプリメンテーションおよび検証のプロセス全体が効率化され、時間の短縮につながります。
Calibreサインオフ品質
Calibre Pattern Matchingは、Olympus-SoCおよびCalibre InRouteと統合されており、インプリメンテーション時にCalibreサインオフ品質の自動修正/検証を行うことができます。また、Calibre Pattern Matchingは、すべての主要な配置配線環境やカスタム設計環境でCalibre nmDRC/eqDRCと組み合わせて使用し、Calibreサインオフ品質の検証を行うことも可能です。
生産性の向上
最先端ノードでも、極めて複雑なエンジニアリング仕様を完全に満たしたルールデックを短時間で開発できます。
特長
複雑な検証をシンプルに
45nm以降のプロセスになると、制約条件は多次元の変数が相互に依存した極めて複雑なものとなります。リソグラフィや物理的な製造性に関する制約により、設計の制約条件は増加の一途をたどり、ルールデックのサイズと複雑さは爆発的に増大しています。従来は簡単な一次元チェックだけで製造性を確保できていましたが、最近では広範囲にわたる複数の幾何学形状の相互関係を多次元のチェックで検証することが必須となっています。90nm以前の成熟したデザイン・ノードでも、AMSやRFアプリケーションの場合は、制約条件をテキストベースのデザインルールでインプリメントするのが困難なことも少なくありません。このようにルールが複雑化した結果、高度なDRCチェックを正確にコーディングすることがほとんど不可能と思われるほど困難になっています。しかも、ルールデックが大規模化、複雑化するにつれて、検証とデバッグにかかる時間も長期化しています。
Calibre Pattern Matchingの自動パターン・マッチングにより、ルールデックのサイズを大幅に削減しながらインプリメンテーションと検証の精度/正確性を向上させることができます。
Calibre Pattern Matchingは、インプリメンテーション、検証、テストのフロー全体で使用でき、パターンのキャプチャ、定義、検索を、対話型形式でも自動でも実行できます。テキストベースのDRCでは数十~数百もの処理が必要となるような複雑で大規模なルールも、パターン・マッチング方式なら1つのビジュアルな幾何学形状を定義するだけで、仕様本来の設計意図と実際のインプリメンテーションを図形の合同関係としてDRCで正確にチェックできます。
Calibre Pattern Matchingなら、これまで困難または不可能とされてきた物理検証(PV)またはデザイン・メソドロジのチェックも作成でき、最先端ノードを使用したデザインでもばらつきの少ない高性能な製品を投入できるようになります。
パターンのキャプチャ、定義、検索を自動化
Calibre Pattern Matchingでは設計者が手動でパターンを作成することもできますが、自動パターン・キャプチャ機能を使用すれば1回の工程で多数のパターンを作成できます。パターン・ライブラリは、デザイン・メソドロジや製造プロセス、その他のカテゴリ用に適宜作成することができます。
物理検証やインプリメンテーションにおいて、Calibre Pattern Matchingはわずか3ステップで簡単に利用できます。
パターン・マッチング・エンジンを起動するとデザインのスキャンが開始し、マッチが検出されます。パターンがマッチした場所にはすべてマーカーが挿入されます。マーカーは柔軟に定義でき、レイヤごとに異なるマーカーを使用することもできるほか、多彩なユーザー定義マーカーを利用して、特定のプロセスごとに異なるマーカーを定義して使用することもできます(例えば、DRCで使用するマーカーは通常のDRCの結果と同じ外観に定義しておき、通常とまったく同じ方法でデバッグするといった使い方も可能)。パターン・マッチングは実際の形状同士を視覚的に比較して行っているため、高い精度と正確性が得られ、デバッグが大幅に簡略化されます。
Olympus-SoCおよびCalibre InRoute/Pattern Matching/nmDRCへの入力には、共通のサインオフCalibre nmDRCルールデックおよびパターン・ライブラリを使用できます。このフローでは、パターン・ライブラリに登録された歩留まり低下の原因となる配線エラーをCalibre Pattern Matchingで検出し、クリーンなデザインを出力します。
ファウンドリやIDMには、どのような形状が特定のプロセスで問題となるかについてノウハウがあります。ファブレス/ファブライト企業には、メーカーから受け取ったサインオフCalibre nmDRCデックの上で実行するデザイン・メソドロジ・ガイドラインがあります。パターン・マッチングを利用すれば、どちらのグループも従来のテキストベースのアプローチよりも短時間で正確かつ容易に高度なチェックをキャプチャできます。Calibre Pattern Matchingは標準のCalibre nmDRC実行環境で利用できるため、通常のDRCチェックを行った後にパターン・マッチングを実行し、その後さらにDRCを適用するという一連の処理を1つの工程として柔軟に実行できます。この場合、ストリームイン/ストリームアウトは不要で、複雑なフローも発生しません。
Calibre設計プラットフォームおよびフローへの統合
Calibre Pattern MatchingはCalibre nmプラットフォームに統合できるように設計されており、他のCalibreツール群と共通のSVRFデックを使用して作業できるため、ストリームアウト/ストリームインや複雑なスクリプトは必要ありません。Olympus SoCおよびCalibre InRoute環境への統合により、パターン・マッチング主導型の配置配線アプローチを採用しながら、Calibreのサインオフ品質基準を満たした自動修正/検証機能を利用できるようになります。この緊密な統合環境により生産性が向上し、最先端の極めて複雑なデザインでも短いTATを実現できます。Olympus SoC、Calibre InRoute、Calibre nmDRC、Calibre LFD(Litho-Friendly Design)でパターン・ライブラリを共有できるため、一貫性も向上します。
他の設計環境への統合
Calibre nmDRCは主要なすべての設計環境への統合をサポートしているため、Calibre nmDRCを利用できる環境ならどこでもCalibre Pattern Matchingを実行できます。Olympus-SoCやCalibre InRouteを使用していない設計チームも、他の配置配線ツールや設計ツールからCalibre nmDRCを起動してCalibre Pattern Matchingを利用できます。パターン・マッチングの結果は、Calibre nmDRCの結果をデバッグするのと同じ設計環境でデバッグできます。
このように、Calibre nmDRCを幅広い環境に統合してパターン生成をシンプルに行えるため、Calibre Pattern Matchingによって製造および設計メソドロジ・チームからデザイン・インプリメンテーションおよび検証チームまでのコミュニケーションは飛躍的に円滑化されます。例えば、歩留まり低下の原因となるパターンを見つけたらすぐに正確な更新データを別のチームに送るといったことも、従来のフローに比べはるかにシンプルに行えます。テキストベースの抽象データではなく実際のパターンを使ってより正確かつスピーディにコミュニケーションが行えるため、インプリメンテーションと検証のプロセス全体が効率化され、時間の短縮につながります。
Calibre Pattern Matchingの関連情報
業界の声
“DRC+(Pattern Matching)では従来のアプローチよりもよい成果が上がっており、お客様は潜在的な製造性の問題点を設計フローのより早い段階で可視化できるようになっています。”
GLOBALFOUNDRIES、Mojy Chian氏
“新しいCalibre Pattern Matchingにより、高度なDRCおよびDFMルールの仕様を簡素化し、歩留まりを阻害するジオメトリの表現をテキスト ベースからパターンベースにすることで、設計者とファウンドリ側のコミュニケーションを改善できます。格言にも、『百聞は一見に如かず』とありますが、まさにその通りです。”
GLOBALFOUNDRIES、Andy Brotman氏
“28nm以降のプロセスに移行するに当たり、TSMCのお客様は、より高い抽象度で設計し性能および低消費電力目標を達成すると共に、TSMCのプロセス で可能な高い歩留まりを実現すると確信の持てるツール群を求めています。リファレンス・フロー11.0に含まれるメンター・グラフィックスのトラックはこれらの要求仕様に応えるものです。”
TSMC、設計インフラストラクチャ・マーケティング担当シニア・ディレクタ、S.T. Juang氏
メディア
- 1つの図形が1000行のデザインルールにも匹敵Mark Simmons氏、Jonathan Muirhead氏、Greg Hackney氏(EDA DesignLine)
- • 複雑なDRCでパターン・マッチングが不可欠な理由Michael White氏(SCDSource)
- パターン・マッチングが世界の飢餓を救う?Michael Whiteのブログ


