メンター・グラフィックス、FloTHERMの最新版を発表、
自動キャリブレーションによりパッケージモデル精度を向上

2015年11月13日

メンター・グラフィックス・コーポレーション(本社: 米国オレゴン州、以下メンター・グラフィックス)は、高精度CFD(数値流体力学)ソフトウェアソリューションとして市場をリードするFloTHERM®の最新バージョンを発表しました。設計プロセス初期に熱課題を予測し迅速に特定するFloTHERMは、設計後期での高額な再設計や、熱設計を起因とする市場故障の保証コストを回避します。最新版のFloTHERMは、T3Ster®が記録した過渡熱測定結果とシミュレーションモデルを一致させる自動キャリブレーション機能を備えています。この結果、FloTHERMはシミュレーションデータ精度の最大化を支援するとともに、自動車、航空宇宙、電子製品業界にとって不可欠な、製品信頼性のさらに多角的な解析を実現します。

T3Sterは、ICパッケージ、LED、電子システム全体の包括的な熱特性を迅速に評価する高度な熱測定装置です。JEDEC規格(JESD51-1)準拠のスタティック法に基づいて過熱状態および冷却状態の過渡熱を非常に高精度にリアルタイムで測定し、他のソリューションと比べて10倍の精度を持つと考えられています。

最新バージョンのFloTHERMは、T3Sterが採用しているのと同じ演算プロセスを使って、シミュレーションによる過渡熱応答を構造関数のグラフに変換します。この構造関数グラフは、デバイスの物理構造と相関することが知られており、シミュレーションとテストデータを比較する際に理想的なプラットフォームです。構造関数における相違は、何らかの形でシミュレーションモデルが不正確であることを示すもので、TIM(サーマルインタフェースマテリアル)の厚さや界面熱抵抗といった直接測定することが難しい寸法や物理特性も含めた不正確な面であることがほとんどです。FloTHERMの最新版には、モデル入力を変更するための最適化された機能が搭載されており、シミュレーションで得られた構造関数を、T3Sterを用いて実測から得た構造関数に近づけて最終的に一致させます。構造関数が一致するとキャリブレーションが完了し、FloTHERMモデルは過渡熱アプリケーションの種類を問わず正確に応答するようになります。パッケージメーカーは、顧客が使っているコンポーネントの熱性能の証拠とモデルそのものを提供することによって、サプライチェーンモデルの信頼性を認証できます。

「キャリブレーションが完了したパッケージモデルの使用は、定常および過渡解析においてジャンクション温度を正確に予測したい場合などに極めて重要です。キャリブレーションは通常、作成した構造関数を、ラボ内のT3sterを使った測定値と比較して実行します。両者を一致させるために、最新版のFloTHERMはFloTHERMモデルを正確に調整する自動化機能を内蔵しており、熱設計エンジニアにとって格段に使いやすいモデリングメソドロジのベストプラクティスを提供します。」Philips ResearchにてPrincipal Scientistを務めた後退職し、現在はSomelikeitCoolでコンサルタントを務めるClemens Lasance氏は、上記のように述べています。

最新版のFloTHERMに追加された機能には以下が含まれています。

  • ジュール発熱: ジュール発熱効果を正確に予測するために直流電流演算をサポートし、PDN(電源供給ネットワーク)解析とバスバー設計が可能
  • FloMCAD Bridgeの強化: 64ビットサポートによって、大規模なMCAD設計をFloTHERMにインポート可能。さらに、MCADジオメトリを解析オブジェクトに変換するVoxel化メソッドを刷新し、20倍に高速化するとともに機能を大きく拡大したほか、さまざまな立体上の一致面の位置関係を変換後にも維持可能
  • グリッド空間の局部化: 重複する局部的なグリッド空間を作成可能。FloTHERMは、これまで困難だった局部的なグリッド空間の配置が可能になったため、大型の複雑なジオメトリ用のグリッドを簡単かつ効率的に作成可能
  • DCIM Software Development Kit: シミュレーション結果をキャプチャしサプライヤのDCIMソフトウェアスイート内に表示するなど、FloTHERMの実行に必要なすべてをDCIMサプライヤに提供

「メンター・グラフィックスのDCIM Software Development Kitは、FloTHERMをFieldView 2015のようなソフトウェアと統合するために必要なすべての仕掛けを、私たちのようなDCIM企業に提供してくれます。この結果、FloTHERMを自社ソフトウェア内で実行し、Excelベースの例示も含めて結果を表示させることができます。CFDを解放し、データセンターでシミュレーションを実行することによって当て推量を排除してくれたメンター・グラフィックスに喝采したい思いです。」Fieldview Solutions、CEO、Fredrick Dirla, Jr.博士は、上記のように述べています。

「キャリブレーションされていないモデルをシミュレーションに使うと、メーカーは性能を当て推量するというリスクを負うことになります。パッケージモデル定数をキャリブレーションすると、定常あるいは過渡データを扱うすべてのアプリケーション内で正確に応答します。メンター・グラフィックスはこれからも業界をリードするシミュレーションおよび測定技術への投資を続け、非常に複雑な熱管理課題に対処するための生産的な機能を顧客に提供します。」メンター・グラフィックス、Mechanical Analysis Division、General Manager、Roland Feldhinkelは、上記のように述べています。

メンター・グラフィックスについて
メンター・グラフィックス・コーポレーションは、世界中で成功を収めている電子機器メーカー、半導体企業、電子システム構築ベンダのニーズに応える製品をはじめとし、コンサルティングサービス、受賞歴を誇るサポートサービスを提供する、電子ハードウェアおよびソフトウェア設計開発ソリューションのグローバルリーダーです。1981年に設立されたメンター・グラフィックスは、過去12ヶ月間の売上高としておよそ12.4億米ドルを計上しており、本社はアメリカ合衆国オレゴン州ウィルソンヴィルに所在しています。メンター・グラフィックスについての詳しい情報は、www.mentorg.co.jpをご覧ください。

Mentor GraphicsはMentor Graphics Corporationの登録商標です。その他記載されている製品名および会社名は各社の商標または登録商標です。

 

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