技術文献
アバディーン・レポート: 経営幹部にとってプリント基板(PCB)設計が持つ意義
競争が激化する今日の市場において、企業は製品の新たな差別化方法を模索しています。その結果、エレクトロニクスは製品開発に欠かせない大切な要素となりました。この点を踏まえ、プリント基板(PCB)の設計プロセスに注力することで、製品化までの時間の短縮、製品原価の削減、そして製品の差別化を実現できる機会を秘めた、戦略的メリットを得ることができます。Aberdeen Group(アバディーン・グループ)がまとめた本稿では、PCB 設計プロセスの改良を通じてこの目標を達成するための指針を提供していきます。
終端最適化によるEMI輻射の低減
様々な規格に適合させるために不要輻射を低減する作業は必要以上に煩雑なものとなることが多い。機器が意図する通りに動作し、同時にEMI規格を満たすものとなるよう設計を最適化するのに役立つ優れた参考書はほんの数冊(貧弱なものは多くあるが)しか書かれていない。 残念なことに、これらの規格を満たすためには、複雑なフィルタやガスケット材、その他高価な部品をシステムに追加しなければならないことが多い。電磁相互作用の複雑さにより輻射がエンクロージャから出る正確なパスを調べることは難しいため、EMI削減はしばしば「魔法」のように扱われ、経験則がやみくもに適用される。残念ながらこれらの経験則の多くは古いテクノロジにおいて確立されたもので現在の設計に必ずしも当てはまるとは限らない。 追加部品を使用せずにEMI規格を満たすことは難しいが、システム内の期待される(意図される)信号を注意深く解析することによってそのような部品(そしてそのコスト)を削減することは可能である。
PCB構造内における埋込部品の使用
エレクトロニクス・メーカー各社でPCBへの埋込部品の使用が増えている。埋込部品はプリント基板の中に作り込まれるもので、内層、外層で使用される。ディスクリート部品ではなく埋込部品を使用する傾向の背景にはいくつかの要素がある。 まず、能動部品が多機能化したことにより受動部品の数が増えたことが挙げられる。ディスクリート受動部品の数は部品総数の70から80%までを占めるケースも多くあり、受動部品/能動部品の比率が上がるとともにその数は増え続けている。能動部品は多ピンのBGA(Ball Grid Array)にパッケージ化され、ディスクリート受動部品に理想的な配置領域を確保するのはますます困難になっている。
高度な配線テクニック:タイミングの重要性
設計者は現在、チップの遅延が全体のタイミング・バジェットの大半を占めていたときのような大きなタイミング・マージンを持てなくなっている。ダイ・サイズと部品ジオメトリは小さくなり、これらのデバイスを通る伝播遅延は大幅に縮小された。かつてはほとんどのケースで十分にあったタイミング・マージンはほとんど消えてしまった。 このような傾向に加えて、基板レベルで使用されるクロック速度の劇的な高速化が起こった。様々な新しい製造技術が生み出されていたにもかかわらず、大部分のプリント基板製造テクノロジにはほとんど変化がなかった。基板サイズの縮小に伴うインターコネクト遅延の縮小は、今日使用されている多くの部品に見られる小型化とクロック速度の高速化と同じペースでは進んで来なかった。その結果、基板レベルのインターコネクト遅延が全体のタイミング・バジェットに占める割合は大幅に拡大し、デザイン全体のタイミング・マージンが劇的に小さくなる結果となった。
2009 電子回路基板技術大全 第4編 電子回路基板設計・解析ツール: 設計・解析ツール
昨今のプリント基板(PCB)設計事情はますます高度で複雑化してきている。それは、実装部品の多ピン化はもちろんのこと、DDR(Double-Date-Rate)やSERDES(Serializer/Deserializer)テクノロジーの採用により、HDI(高密度基板)に対する設計スキルや、専門的な電気的効果のスキルが必要になり、基板設計において大きな負担となっている。加えて、設計期間の短縮を視野に入れていた企業からも、製品リリースまでの期間を視野に入れた短縮や効率化の声が大きくなってきた。 そこで本稿では、昨今の基板設計に求められている事柄とメンター・グラフィックスのテクノロジによる対策について述べる。
2009 電子回路基板技術大全 第4編 電子回路基板設計・解析ツール: 熱設計・解析ツール
本稿では、回路基板の設計者が部品の温度予測を簡便に行えるシミュレーションソフトウェア「FloTHERM.PCB」について紹介する。 FloTHERM.PCBはメンター・グラフィックスで開発され、2008年秋の時点でバージョンは5.1である。