Volcano Bootloader
Volcano Bootloaderは、ECU内の任意のソフトウェア・モジュールをダウンロードして更新できるようにするためのスタンドアロン・ソフトウェアです(ECUにフラッシュ・メモリまたはEEPROMメモリが必要)。Bootloaderは AUTOSAR基本ソフトウェアやVolcano Target Packageと組み合わせて使用することもできます。
特長と仕様
特長
- CAN接続を利用したソフトウェアのダウンロード/更新が可能
- マイクロコントローラのリソース利用率(ROM)を最適化
- 優れたダウンロード・パフォーマンス
- BootloaderのROMの上書きを禁止(オプション)
- アプリケーション・ソフトウェアとの統合が容易
- カスタムECUに合わせた構成
技術仕様
- ISO 14229-1、ISO 15765-2、ISO 15765-3に準拠
- セキュリティ・アクセスに対応(ISO 14229-1準拠)
- 通常のROM使用量は10~12KB
- KWP2000準拠のBootloaderも用意
ハイライト
ユースケース
Bootloaderは、ECU内の任意のソフトウェア・モジュールをCAN(Controller Area Network)経由で更新します。この機能を利用するには、ECUにフラッシュ・メモリが必要です。Bootloaderの主な用途は、次の通りです。
- アフター・サービスの際、車両からECUを取り外さなくても既存のソフトウェアを更新できるため、販売後のソフトウェア変更により発生するコストを大幅に削減できます。
- 製造またはアフター・サービス時に、ECU内ソフトウェアの構成の変更、またはプログラミングが行えるため、ECUの在庫を余分に抱える必要がなくなります。
- 開発中にソフトウェアやアプリケーション・データをダウンロードできるため、ECU単体並びにシステムのテスト期間を短縮できます。
Bootloaderの仕組み
通常、Bootloaderは以下の2つのコンポーネントで構成されます。
- プライマリ・ブートローダ(PBL)
- セカンダリ・ブートローダ(SBL)
PBLは保護されたブート・セクタに永続的に配置され、リセット後に動作を開始します。ブートエンジンの役割を担い、SBLをECUの内部メモリにダウンロードして起動します。SBLはフラッシュ・メモリとEEPROMの消去および書き込みを行います。また、新規/更新用ソフトウェアをダウンロードも行います。このような仕組みにより、PBLが占有するROM容量は最小限に抑えられています。
製品の種類
自動車OEM専用のプロトコルから、ISO 15765-2トランスポート・レイヤ並びにISO 14229診断サービスを使用した標準プロトコルまで、幅広く提供しています。KWP2000準拠のブートローダも用意されています。
Volcano Bootloaderは各社のマイクロコントローラに対応したものが幅広く提供されているほか、個々のECUの要件に合わせたカスタマイズも可能です(ウォッチドッグやトランシーバなど)。
インテグレーション
Volcano Bootloaderはスタンドアロンの実行形式プログラムであるため、他のソフトウェアとも簡単に統合できます。必要な作業は、割り込み用のベクタ・テーブルをマッピングし、Volcano Bootloader用にフラッシュ・セグメントを予約するだけです。
サポート
対応サービス
Volcano Bootloaderによるソフトウェアのダウンロード/アップロードでは、以下のサービス(ISO 14229 により定義)がサポートされます。サービスの種類とダウンロード時における各サービスの動作を以下に示します
- 診断セッション制御 - テスタがECUに対してプログラミング・モードへの移行を要求
- ECUリセット - テスタがECUに対してリセットの実行(プログラミング・モードの終了)を要求
- セキュリティ・アクセス - ダウンロード/アップロードのためECUのロックを解除
- IDによるデータ読み出し - テスタがECUに対してID情報の送信を要求
- IDによるデータ書き込み - ECUコンフィギュレーション・データの書き込み(ハードウェアの部品番号、シリアル番号など)
- ルーチン制御 - セカンダリ・ブートローダ(SBL)の起動、並びにフラッシュ・メモリの消去
- ダウンロード要求 - ECUのRAM、フラッシュ、EEPROMへのダウンロードを要求
- アップロード要求 - ECUのRAM、フラッシュ、EEPROMからのアップロードを要求
- データ転送 - ECUのRAM、フラッシュ、EEPROM間でのデータの転送
- 転送終了要求 - ECUとのデータ転送を終了
対応MCU
現在対応しているMCUは次の通りです。メンター・グラフィックスは、要望に応じてその他のMCUに対するサポートも提供します。
- C167CS
- CR16
- HC08
- HC908
- HC912
- MC68376
- MPC561
- Star12
- ST10F272/273
- TC1766
- TC1775
- TMS470
- XC164
メンター・グラフィックスは、自動車エンジニアリング・アーキテクチャのオープン・スタンダードを策定する標準化団体、AUTOSARのプレミアム会員です。