ICインプリメンテーション
ローパワー向けの自動配置配線
メンター・グラフィックスの自動配置配線ソリューションであるOlympus-SoCはUPFに準拠しており、配置/配線/最適化の各段階でさまざ まなローパワー設計に対応しています。配置配線の禁止領域の作成および常時オン・バッファや絶縁セルの手作業での挿入によって増えるリスクから設計サイク ルを保護します。
Olympus SoCは特殊セルを自動挿入し、2次電源接続の配線を処理して、パワードメインの境界や接続を維持します。
クロック・ツリーの省電力化
クロックは動的電力を最も消費する要素であり、クロック・ツリーの合成と最適化は、物理設計で大幅にパワーを節約できる個所です。
ローパワーのクロック・ツリー合成(CTS)手法には、全体の電気容量の低減、クロック遮断カバレッジの向上、およびスイッチング動作の削減が含まれます。ただし、CTSから最良のパワー結果を得るには、マルチ・コーナーおよびマルチ・モードで並列にクロックを合成する機能が必要です。
メンター・グラフィックス独自のMCMMベースのクロックの合成と最適化はフロップ動作を解析し、すべてのコーナーで並列にスキュー・バランスの要件が得られます。この結果、1回のCTSの実行でスキュー、面積、およびパワーが大幅に向上します。
並列MCMM協調最適化による最終結果の信頼性
ローパワー・インプリメンテーションで重要なのは、現在のディープ・サブミクロン設計に継承されている複雑性を管理することです。典型的なローパワーICには、スタンバイ、アクティブ、スリープなど3つ以上のパワー・ステートがあります。さらに、コーナーとモードの数が増加すると、タイミング、シグナル・インテグリティ(SI)、製造性、およびパワーを同時に最適化するのが困難になります。
消費電力の管理はMCMMによって差がつきます。高度なプロセス・ノード上では、リソグラフィ、プロセスおよび動作の変動がモード/ コーナーの組み合わせによって複合的にパワーに影響するからです。不均一な配線幅やCMPのむらに起因する抵抗の変動により、あるモード/コーナーのシナ リオと別のシナリオで結果が異なる場合があります。
複数のプロセス・コーナーからの制約を結合するなどの近似により、精度が大幅に低下することがあり、最終結果を得ることが困難になります。メン ター・グラフィックスのソリューションを使用すると、すべてのモード/コーナーのシナリオにすべての最適化が並列に適用されるので、性能を下げるガード・ バンディングを低減しながら、最高品質の結果が得られます。これはつまり、ローパワーで高い性能が得られ、製造するICに競争力を与えるということです。
大規模設計に適した高いキャパシティのツール
Olympus-SoCは配置配線システムのキャパシティが非常に大きいため、フラット・モードまたは階層モードで、1億個以上のゲートを持つ設計 のチップ全体についてパワー、IRドロップ、およびEMの解析ができます。ツールの制限が原因で、設計を分割したり、それらを手動で結合する必要がありま せん。
Olympus-SoC
Olympus-SoC自動配置配線システムは、システム設計や検証に使用したものと同じUPFファイルを読み取るので、インプリメンテーション全体でパワーの設計意図が保持されます。マルチ電源電圧、パワー遮断、電圧と周波数のスケーリングなど、先進のローパワー設計手法をサポートしています。
Olympus-SoCのクロック・ツリー合成(CTS)テクノロジは、業界初のマルチ・コーナーCTSエンジンです。動作点を解析して、すべてのコーナーで並列にスキュー・バランスの要件が得られるので、非常にローパワーかつ高度に最適化されたクロック・ツリーが生成されます。
Olympus-SoCの自動配線は、保持フロップと常時オン・バッファ用の2次電力接続をすべて処理します。電圧ドメインの境界を できるだけ保持し、配線トポロジを変更して、設計のその他の制約に適合させます。例えば、重要度の低いネットではSI違反を緩和するために、自動配線は電 圧ドメインの周囲を迂回して配線しますが、重要度の高いネットでは電圧ドメインの横断を許可します。このために、MCMMのタイミングやRCの定期的な更 新に基づいて、主要なすべての設計制約に対して最適なソリューションを検出します。
自動配線は変動性に対応しているので、パワー、特にリーク電流に影響する製造上の問題を考慮します。MCMMのリーク電流とタイミングの並列最適化がなければ、異なるモード/コーナーの組み合わせで矛盾するニーズを解決することは極めて困難です。
MCMMを含むマルチ電源電圧設計の物理設計フロー(拡大するにはクリック)
パワー効率の良い設計の課題とトレンド
主要となるテクノロジやエネルギーの高効率化に向かう市場の動向を紹介します。 Webセミナーを表示[英語]
技術的なヒント
動的パワーを低減する一般的な手法は、複数の電圧ドメインを使用するものです。これにより、一部のブロックで他よりも低い電源電圧を使用したり、特定の動作モードでは完全に電源を遮断したりできます。動的電圧スケーリングを使用して動作中に電源電圧を変更する場合、フローは一層複雑になります。
マルチ電圧フローにより物理設計に新たな課題が生まれました。第一に、ツールでマルチ電圧ドメイン間に正しく配置配線を行い、タイミング・エンジンと最適化エンジンを仕様に適合させる必要があります。第二に、マルチ・モードとマルチ・コーナーの両方の要件を同一の実行で満たす必要があります。基本的に、最小/最大電圧の組み合わせをすべて考慮した場合、電圧ドメインを1つ追加するたびに、タイミング解析のモード/コーナーのシナリオの数が2倍になります。
参考情報
ローパワー・ソリューション
ESL(Electronic System Level)設計
メンター・グラフィックスが提供する次世代ツールにより、初期のアーキテクチャ探索段階で忠実なモデリングとシミュレーション性能が得られます。
ICインプリメンテーション
メンター・グラフィックスの配置配線ソリューションであるOlympus-SoCはUPFに準拠しており、配置/配線/最適化の各段階でさまざまなローパワー設計方式に対応しています。
パワー・アウェア検証
メンター・グラフィックスのパワー・アウェア・シミュレーションにより、RTLでパワー管理手法を機能検証できるので、労力と時間の両面でコストを大幅に削減できます。
ローパワーのリソース
PCB設計向けのシステム・レベルにおけるパワー検討課題
オンデマンドWEBセミナー: 今日のPCB設計に必要なパワー分散に共通する問題点を考えます。適切な電圧を供給する手法について論じます。 Webセミナーを表示[英語]
電力を考慮したフィジカル・インプリメンテーション
オンデマンドWEBセミナー: 設計の制約条件をすべて満たし、ベストなQoRのモードとコーナーを実現した上で、配置配線環境で電力をどう考慮するかについて論じます。 Webセミナーを表示[英語]
