News and Views 2007 Spring
[FEATURE] Verification
ハードウェア支援による業界で最も包括的なシステムの誕生
Veloce検証ソリューション
今日のコンピューティング、マルチメディア、ネットワーキング及びワイヤレス・アプリケーションの要件を満たすべく設計されたVeloce検証ソリューションは、複雑なエレクトロニクス設計およびシステム設計を短時間で検証し、初回でシリコンを成功させるための最先端ソリューションを必要とする SoC/ASIC設計者にとって欠かせないツールとなるでしょう。Veloceは画期的なカスタム・エミュレーション技術と、SoCベースのアーキテクチャ、高度なコンパイラ技術、効果的なデバッグを組み合わせることで業界をリードする高い生産性を提供します。今回はこのVeloce検証ソリューションについて、エレクトロニクス情報専門誌「EE Times」(米国版)に掲載された記事をご紹介します。
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一段階上の検証へ
Broadcomのブロードバンド部門のSenior Director of Engineeringを務めるHooman Moshar氏にとって機能検証は大きな課題です。1,000名ものエンジニアを抱える彼の部門では、検証に対してC/C++テストベンチを中心としたコ・モデリング(co-modeling)アプローチを開発しました。Broadcomは、メンター・グラフィックスがこの手法をサポートするアクセラレータを開発するために多くの協力をしました。BroadcomはAccelleraのStandard Co-Emulation Modeling Interface (SCE-MI)規格を策定する企業の1つです。EE TimesのRichard GoeringがBroadcomのIC検証に対する独自のアプローチについてMoshar氏に聞きました。
—あなたの部署ではどのようなチップを設計されていますか?
Moshar:この部署ではケーブル及び衛星用のセットトップボックス受信機、ケーブル及び DSLモデム、デジタルテレビやHDTV等のコンシューマ向け製品用チップを設計しています。これらのチップは高度に統合されており、アナログコンテンツ も多く含まれています。また、弊社は最も早い時期に65ナノメータを採用した企業の一つです。 私達は1000万から1億ゲート規模のチップを日常的に設計しています。
—機能検証に関して最も大きな課題は何ですか?
Moshar:上位レベルでは、C/C++オブジェクト指向テストベンチで構成されています。これは完全にトランザクションベースで、DUTのハードウェア表現やソフトウェア表現にシームレスに接続することが可能です。重要な特徴として、システムテストベンチがアンタイムドであり、シミュレータあるいはハードウェア・アクセラレータとのやりとりもアンタイムドで行われるということが挙げられ完全なコントロールが実現されています。これは弊社が10年以上も前に構築したインフラです。この上位レベルテストベンチ環境は、現在(ケイデンスの)Specmanが行っているようなものと考えることができます。Specman ではクロックレベルあるいはトランザクションレベルで様々なトラフィック・シナリオを作成してコーナーケースをカバーします。 私達の環境も基本的には同じことを行いますが、これを更に上位のトラフィックのレベルで行います。C/C++を実行するハイレベル・シミュレーション・エンジンがスケジューリング、トラフィック生成、モニタリング、時間の判断、データの抽出、エラーのソーティングを全て行い、非常に精密な環境となっています。
—検証環境はどのように構築されていますか?
<p><strong>Moshar:</strong>上位レベルでは、C/C++オブジェクト指向テストベンチで構成されています。これは完全にトランザクションベースで、DUTのハードウェア表現やソフトウェア表現にシームレスに接続することが可能です。重要な特徴として、システムテストベンチがアンタイムドであり、シミュレータあるいはハードウェア・アクセラレータとのやりとりもアンタイムドで行われるということが挙げられ完全なコントロールが実現されています。これは弊社が10年以上も前に構築したインフラです。この上位レベルテストベンチ環境は、現在(ケイデンスの)Specmanが行っているようなものと考えることができます。Specman ではクロックレベルあるいはトランザクションレベルで様々なトラフィック・シナリオを作成してコーナーケースをカバーします。 私達の環境も基本的には同じことを行いますが、これを更に上位のトラフィックのレベルで行います。C/C++を実行するハイレベル・シミュレーション・エンジンがスケジューリング、トラフィック生成、モニタリング、時間の判断、データの抽出、エラーのソーティングを全て行い、非常に精密な環境となっています。
—この手法をコ・モデリングと呼んでいらっしゃいますが、コ・シミュレーションとはどの点が違うのでしょうか?
Moshar:コ・シミュレーションとはソフトウェア・シミュレータがワークステーションで稼動し、PLI(Programming Language Interface)を介してシミュレータと連動したデバイスあるいはバス・ファンクショナル・モデルと通信します。コ・モデリングはその逆です。 C/C++テストベンチが主体となって、明確な一連のAPIおよびトランザクタを介してシミュレータあるいはハードウェアと通信します。
—御社は最近ハードウェア・アクセラレーションに大きな投資を行いました。これはなぜでしょうか?
Moshar:私達は商用シミュレータを使うために必要なコストを常に計算しています。 Broadcomにあるすべてのサーバー・プラットフォームを使っても、1チップ全てを検証するには何百年もかかるでしょう。これでは間に合いません。私たちはあらゆるトラフィックを検証するために膨大な数のテストケースを検証しなければならないのです。ここでアクセラレータが必要となります。
—ハードウェアベースの検証はどのように変化していますか?
Moshar:シフトが起こっているのは確かです。これまでは、インサーキット・エミュレーションがエミュレータの主な用途でした。これはプラットフォームが存在する製品、即ち(エミュレータを)ターゲットに繋ぐことができ、インタフェースが明確に定義されている場合に役立ちます。 アクセラレーションはコ・モデリングにおいては全く新しい要素です。これはターゲットがなく、明確なサイクル数が存在し、人類が知り得るあらゆるインタフェースを検証しなければならない時に、より効果的な手法を提供してくれます。ここで難しかったのは、EDAベンダーもこの問題に対する最善のアプローチを知らなかったことです。
—メンター・グラフィックスとはどのような共同開発を行われたのですか?
Moshar:1990年代の半ば、私達はIKOSと共同作業を始めましたが、IKOSはメンター・グラフィックスに買収され、それ以来同社と共同で次世代のハードウェアの開発を目指して取り組んできました。私達は、最新マシン(Veloce)に対し多くの要求を提示しました。現在は新しいVeloceマシンを導入し、オンラインに組み込もうとしているところです。私達は、コ・モデリング手法が20~30%あるいはそれ以上のソフトウェア・シミュレータを置き換えるような形でチップレベル・シミュレーション環境を増強することになると確信しています。弊社の全てのシステム・オン・チップ(SoC)レベル検証は、全くシミュレーションを使わずに実行されています。Cテストベンチを直接ハードウェアと通信させているのです。
—しかしアクセラレーションはアナログ回路には効果がありませんが、システム・オン・チップのアナログ部分はどのように検証していらっしゃるのですか?
Moshar:アナログ・モジュールには通常Matlab用のモデルかビット精度モデルが存在します。このモデルを使ってモジュール自体と、それと通信する最初のレベルのデジタル・ブロックの設計を行います。しかしチップレベルになると、この(モジュール)テストベンチは役に立ちません。このレベルでは、抽象的なC モデルを作成して膨大な量のトラフィックおよびコーナーケースを表現します。
—組み込みソフトウェアの検証は難しいですか?
Moshar:それは良い質問です。この部署には 1,000 名のエンジニアがおり、700名はシステム及びソフトウェア・エンジニアです。ハードウェア・プラットフォームとして開発されたものは、ハードウェアの検証に使われるのみならずソフトウェア・エンジニアがドライバを早期に開発するのにも使用されます。
—フォーマル検証はお使いですか?それはシミュレーションやアクセラレーションのニーズを削減するものでしょうか?
Moshar:フォーマル検証は使っています。しかしそれによって私達の行う作業範囲が縮小されるとは思いません。フォーマル検証はIPが保証された動作をするかどうかを確認することはできますが、SoCレベルには適用できません。カバーすべきあらゆるトラフィック・シナリオを実行しなければならないのです。
—エミュレータおよびアクセラレータに対する標準モデリング・インタフェースを策定するAccellera SCE-MIの作業にはどのように関わっていらっしゃいますか?
Moshar:私達は Accellera とSCE-MI 2.0の定義で協力しています。SCE-MI 2.0は設計コミュニティが直面していた、使い勝手に関する問題の多くを改善してくれます。インフラストラクチャを覆い隠してRTLシミュレーション環境のように見せることができるのです。これが次世代の方向性です。
—他社でもコ・モデリング導入の動きはありますか?
Moshar:これは標準に基づいた手法であり、他社でも使い始めています。私は(コ・モデリングが)次第にインサーキット・エミュレーションを置き換えると確信しています。
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