Assel

AsselのCEO、Jaroslaw Prolejko氏のビジョンは、「ITを活用して、専門技術では第1階層の企業との競争で優位になり、顧客サービスや顧客ニーズへの応答時間では第1階層の大企業を凌ぐ、中間階層のEMS企業を築く」ことです。Asselがこのビジョンの実現に向けて成長曲線を上り続けるに当たり、大きな役割を果たしているのがメンター・グラフィックスのソフトウェアです。

「実際にAsselでは、メンター・グラフィックスのPCB製造、実装関連製品の導入後、専門技術だけでなく、エンジニアリングの生産性と製造の柔軟性も大幅に向上しました。第1階層の大規模な競合他社を超えるというビジョンが実現されつつあると言えます。導入以来、大企業との競争で既に4件の契約を勝ち取っています。」

CEO、Jarosław Prolejko氏

Assel

使用ツール

  • vPlanvPlanは、電子機器の実装に適した次世代エンタープライズレベル・プロセス・エンジニアリング・ソリューションです。

リソース

問題の説明

Asselの経営陣はビジネス成長目標の達成に当たって、中規模企業に固有の障壁と制限を克服しなければならない結論に達しました。一般的な制限の例としては、AOI/SMTプログラミングやコンポーネント・ライブラリ開発での低速で冗長なワークフローが挙げられ、これは顧客への応答時間や新製品導入(NPI)サイクルの低下につながります。こうした技術上の制限が障壁となり、Asselの製造能力の範囲内では、生産量の面で第1階層のサプライヤとの競争に勝つことは困難です。

ソリューション・プラン

CEOのJaroslaw Prolejko氏のリーダーシップのもと、Asselは以下の3大ビジネス目標の達成手段として最先端のITを活用しています。

  • NPIに必要な時間を大幅に短縮
  • 適切なITの適用がほかの手段では達成不可能なエンジニアリングの生産性向上を生むというコンセプトに基づいて、エンジニア部門を編成
  • 中間階層の企業で一般的なように、規模の小ささに制限されない専門技術レベルをもたらすソフトウェアの応用によって培われた、極めて高度な知識と技術を通じて競争力を確保

つまり、Prolejko氏のビジョンは、「ITを活用して、専門技術では第1階層の企業との競争で優位になり、顧客サービスや顧客ニーズへの応答時間では第1階層の大企業を凌ぐ、中間階層のEMS企業を築く」ことです。世界経済が縮小し、1回分の製造量がますます減少する中、Prolejko氏のビジョンがもたらす高い効率と柔軟性が効果を発揮しつつあります。Asselがこのビジョンの実現に向けて成長曲線を上り続けるに当たり、大きな役割を果たしているのがメンター・グラフィックスのソフトウェアです。

NPIに必要な時間を短縮

Asselは、vPlanが提供するエンジニアリング機能によって大きなメリットを得ています。「vPlanは、Asselで使用されている最も重要なエンジニアリング・ツールです。vPlanの導入後6カ月たった現在、生産性が20%向上しました。さらに、実装指示書をvPlanに組み込めば、今後6~10カ月で50%の向上を達成できる見込みです。」AsselのProduction Managerはこのように述べています。vPlanの導入前は、500個の部品を搭載した標準的な片面ボードの場合で、平均7~8時間のエンジニアリング時間を要していました。「現在では、データの受領からラインでのプログラム実行まで、NPIを5~6時間で完了しており、これを合計2時間に短縮することを目標としています。」

図1 ‐ ピン~パッド間の問題の図

図1 ‐ ピン~パッド間の問題の図

Product Engineering(PE)部門

データの中立化

CADデータ、Gerberファイル、BOMファイル、パネライゼーション/ファブリケーション図として顧客から提供されたデータのフォーマットはすべて、単一の製造向けデータ構造に中立化されます。vPlanでのデータ構造はBOM中心なので、製造データはERP出力と同期化されます。このため、早い段階でデータ準備プロセスの合理化という利点を得られます。

データの検証

製品エンジニアはValor Part Library(VPL)を利用すると、初回生産に先立ってBOMエラーやフットプリント(ランドパターン)エラーを迅速に識別できます(図1を参照)。BOMの部品番号に基づいて取得された実際の部品の形状をCADのフットプリントと比較して、正確なピン~パッド間の配置を確認します。

この種のピン~パッド間エラーは、顧客のBOMにおける部品の選択ミスが原因と考えられます。この部分は、はんだ付けも可能ですが、ヒール・フィレットがないはんだ接合は、長期的な信頼性が極めて劣ります。AsselがNPIサイクルの早い段階でこのエラーを発見したことにより、顧客は大いに満足しています。ランドパターン内におけるリードピッチのばらつきなど、ソフトウェアの支援なしでは通常発見できない問題でも、メンター・グラフィックスのツールがあれば迅速に見付けられます。

Asselは、ショップフロアで低い歩留まりや大量の再作業が生じる前に以下の例を発見して、計り知れないほどの時間を節約できました。

図2 ‐ 同一部品のパッド内でのピッチのばらつき

図2 ‐ 同一部品のパッド内でのピッチのばらつき

データ転送とデータの集中化

AsselのPE部門とSMT部門には10名のエンジニアがいます。Valorソリューションの導入前は、複数のツール、複数のデータ・フォーマット、複数のデータ格納/取得場所が使用されていたため、多くの時間が失われていました。現在ではすべてのプロジェクト・データが単一のリレーショナル・データベース内に格納されているので、全情報を合理的かつシームレスに転送できます。すべてのエンジニアがプロジェクト・データ全体に常時アクセス可能です。

SMT Engineering部門

仮想ライン・シミュレーション

工場が拡大し、顧客数が増加するにつれて、SMTライン構成に合わせて工場のレイアウトを最適化する必要性が増してきました。AsselはvPlanのメリットを活かし、各種ライン構成のシミュレーションを様々な製品量と組み合わせて検討しています。その結果、正確な「what-if」シミュレーションが実現し、エンジニアは多くの実装装置タイプやライン構成を試して、ニーズに最適な組み合わせとレイアウトを見付けています。これを可能にしているのは、vPlanのライン構成ツール、ライン・バランサ、サイクル時間シミュレータが持つ操作性と精度です。Asselは、同一ライン内であっても様々な実装装置プラットフォームを試してから、最適な資本投資とレイアウトを決定できます。

AOIプログラミング

vPlanを導入するまで、AOI装置のプログラミングは時間がかかる作業であり、冗長なワークフローを必要としていました。現在では、すべての基準設定、コンポーネントの角度、ピンの重心、本体の重心、部品番号(社内、顧客、メーカーの部品番号を含む)、ピン1の場所、極性のステータスなど製品データモデル全体をPE部門が準備しています。そのため、製品データモデルは十分に中立化されており、AOI装置の各プラットフォームを標準化された単一の出力ファイルに基づいて迅速にプログラミングできます。これはすべてオフラインで行われており、新しいプログラムの生成に必要な手順が大幅に削減されています。さらに、中立化されたデータセットの高い品質と精度によって、プログラムのデバッグ時間も大きく短縮されました。

SMTマシン・プログラミング

AOIの場合と同様のメリットがSMT実装装置にも適用されますが、効果はさらに大きくなります。vPlanで作成されたプロセスモデルには具体的なライン構成と個別の実装装置モデルが含まれているので、実装装置プラットフォームごとに対応プログラムを作成することは極めて合理化されたプロセスになります。AsselのNPIにおける生産性に対しては、2つの主要機能が大きな効果を発揮しました。2つの機能とは、Valorが特許を取得した実装装置ライブラリ部品データの自動生成(AG)と、Virtual Sticky Tape(VST)によるオフライン・プログラムの配置/角度検証です。

マシン・ライブラリの自動生成

VPLからインポートされた正確な部品形状は、メーカー部品番号を含むBOMデータにリンクされており、Asselはこれを配置の参照指定場所ごとに利用しています。vPlanは、部品の配置が可能な各実装装置について、選択されたライン構成の対応する実装装置ライブラリに存在しないボード上の全部品向けに汎用的なvShapeを自動作成します。次に、各実装装置用に最適化されたルールセットに従い、部品の配置が可能なライン上のすべての実装装置向けに、完全な実装装置ライブラリ部品データ(mShape)をオフラインで自動生成します。これにより、最適なライン・バランス調整が実現します。AGプロセスでは、存在しないライブラリ・データが自動的に作成されるので、新製品を極めて迅速に製造できます。また、新しいラインにボードのライブラリ・データがない場合でも、製品をライン間で即座に移行できます。このような製造上の柔軟性は、競争力と、資産使用率の向上によるコスト削減をもたらします。

Asselのエンジニアは、複数の実装装置ライブラリをvPlanリレーショナル・データベース内の単一の集中型ライブラリに置き換えて時間を節約しています。また、自動生成機能により、不正確または存在しない部品データのデバッグに要していたライン時間も節約し、ショップフロアの効率化とライン使用率の向上を実現しています。

Virtual Sticky Tape

Valorのソフトウェア・ソリューションが導入されるまで、Asselのエンジニアは、NPIごとに平均2~3時間を費やして、粘着テープが貼られたベアボードをライン上に流し、実装装置プログラムでの配置や角度を検証していました。これはNPIプロセスを低速化させるだけでなく、貴重なライン時間を使って製造を一時停止することになります。vPlanの導入後は、vPlanのVST機能をメンター・グラフィックスの正確なシミュレーション環境上でオフライン実行することにより、粘着テープを使ったライン運転を100%排除しています。この結果、あらゆる配置や角度の問題を検出して修正し、修正済みプログラム・ファイルを即座に出力できるようになりました。Asselの報告によれば、初回生産時の角度エラーは現在、完全に解消されています。

Asselについて

Asselは現在成長中の中間階層のEMS企業であり、ポーランドのグダンスクに本社を構えています。