MetaSystem

完全なトレーサビリティは、Meta Systemが抱えるほぼすべての顧客が求めている要件です。これは、同社の顧客が活動をしている市場の必須要素だからです。メンター・グラフィックスのPCB製造/実装ソリューションが導入されるまで、Meta Systemではロット(1回分の製造量)レベルでのみトレーサビリティが確保されていました。Meta Systemは、オペレータのエラーによってトレーサビリティが破棄または無視されないように、vManageを採用して閉ループのトレーサビリティ・システムを導入することにしました。

「材料の追跡は自動的に行われます。vManageを採用したMeta Systemのプロセスが他のトレーサビリティ・プロトコルと大きく異なる点は、実装装置での自動操作です。受入検査から、各実装装置でのキッティング、フィーダ検証、スプライシングに至るまで、あらゆるパネルの追跡データが100%収集されます。」

Meta System、SMT Process Eng Mgr、Luca Grifagni氏

Meta System

使用ツール

  • vManagevManageは、電子機器メーカー向けの包括的なショップフロア・データ収集/管理システムです。

リソース

問題の説明

Meta Systemはこれまで何度も、大規模なロットを細かく分割してトレーサビリティの対象範囲を狭めようと試みてきましたが、それでも、1つのプリント基板(PCB)の故障が5,000ユニットものリコールにつながる場合があり、十分とは言えませんでした。これではリスクが高すぎます。Meta Systemは、リコールのリスクを最大でPCBパネル3枚に抑えられるソリューションを必要としていました。

ソリューション

Meta Systemは、オペレータのエラーによってトレーサビリティが破棄または無視されないように、vManageを採用して閉ループのトレーサビリティ・システムを導入することにしました。これを実現するには、SMTラインに対する十分なプロセス管理と自動実装装置インタフェースが必要です。SMT部品ベンダIDとロットコードごとの追跡データは、すべてのパネルの個別PCB上の各部品配置参照指示子にリンクされました。リスクを最大3パネルの範囲内に収めるというトレーサビリティ目標の達成に当たっては、受入材料の登録から、キッティング、実装装置のセットアップと交換、空になった個別リールのスプライシングに至るまで、途切れのない追跡データチェーンが導入プランに組み込まれています。すべてのベア・ボードにはシリアル番号が付けられ、実装装置搬入コンベアに設置されたバーコード・リーダによって自動的にキャプチャされます。また、vManageましん実装装置インタフェースがパネルごとにすべての配置データを追跡データにリンクします。SMTラインについては、以下の6項目でトレーサビリティ・プロセスの要素を説明します。

  1. 材料の登録
    搬入されたSMT部品はすべて、個別のリールまたはトレイID番号に対して登録されます。vManageデータベースがベンダ名、部品番号、日付コード/ロットコード、受入数量を各リール/トレイID番号にリンクします。
  2. 保管と取得
    登録された材料は自動倉庫エレベータで管理され、保管と取得が容易です。各リール内の数量は、システムによって自動的に管理されます。これには、配置、不合格部品、破棄に基づく継続的なカウントダウンを通じて倉庫に戻されたリールも含まれます。
  3. キッティング
    各製造プログラムに必要な材料がリストにされ、倉庫エレベータから取り出されて、キッティング・エリアに送られます。このエリアでリールがフィーダに装着され、リールIDがvManageデータベースのフィーダIDにリンクされます。
  4. セットアップと交換
    実装装置インタフェースがオペレータに対してセットアップと交換をガイドします。インタフェースは、実装装置上で実行されているプログラム、部品番号ごとに必要なフィーダの位置、リールが誤った位置にロードされた場合のキャリッジ警告に対するセンサを認識しているので、システムは閉ループになっています。
  5. スプライシング管理
    システムは、リールが消耗ポイントに近付くとオペレータに警告を発し、消耗ポイントを上回る事前設定済みの配置量の中で、スプライシングされたリールを強制的に登録させます。リール(PN)を誤ると、実装装置が停止します。閉ループ・システムは、実際の配置や不合格のコンポーネントに基づいてスプライス・ポイントを計算します。
  6. ユーザ・インタフェース
    実装装置とのインタフェースを容易に読み取れるので、オペレータは常に、キッティング、装置のセットアップ、低レベルの警告、スプライシング、湿度管理部品の期限切れ、ピックアップ・エラー、フィーダ・エラー、フィーダの保守、実装装置のパフォーマンスについて把握できます。各実装装置は、それぞれ専用のvManageユーザ・インタフェース向け標準化ディスプレイを備えています。

PCB IDにリンクされたパネルID

途切れのない追跡データチェーンにおける重要な要素は、パネル・バーコードから読み出された目に見えるパネルIDを、vManageデータベース内に保持されている一時的に見えないPCB IDに結び付けることです。パネルが個別のPCBに分割される前から、vManageは内部シリアル番号をアレイ内の各PCBに割り当てています。すべての追跡データは、この内部シリアル番号に基づいて各PCBにリンクされ、継続的に更新されます。

図A: デパネリング装置がPCB間のタブを切断して、パネルを個別のボードに分割します。vManageは、実装中にSMT実装装置上で実行されるプログラムから、この手順と反復パターン(不良ボードへのマークを含む)を認識しています。

図A: デパネリング装置がPCB間のタブを切断して、パネルを個別のボードに分割します。vManageは、実装中にSMT実装装置上で実行されるプログラムから、この手順と反復パターン(不良ボードへのマークを含む)を認識しています。

分割された各PCBには、PCBのカバーまたはシャーシ上のラベルに印字された新しいシリアル番号(SN)が割り当てられます。Meta Systemの場合、新しいラベルは、ユニットのプラスチック成形カバーの中央に貼付されています。最後に、すべての追跡データがシステムによって自動的に新しいSNに転送されます。

図B: vManageによって収集された追跡データはすべて、途切れのないチェーンを介して最上層のアセンブリSN(すなわちMeta Systemによって販売されるユニット)にリンクされます。このデータ収集とリンクのプロセスは、Meta Systemが必要とする確実なトレーサビリティを実現しています。

図B: vManageによって収集された追跡データはすべて、途切れのないチェーンを介して最上層のアセンブリSN(すなわちMeta Systemによって販売されるユニット)にリンクされます。このデータ収集とリンクのプロセスは、Meta Systemが必要とする確実なトレーサビリティを実現しています。

トレーサビリティ以外のメリットの概要

Meta Systemの第1要件はトレーサビリティでしたが、このソリューションはその他にも大きなメリットをいくつか提供し、高いROI(投資効果)をもたらしています。

vManageソリューションの導入は簡単です。Meta Systemの経営陣は、このソリューションの導入とそのROIに高い満足度を示しています。vManageのモジュラ性とスケーラビリティは、Meta Systemにとって最適なレベルでの進捗と拡張を可能にしました。Meta Systemは現在、2つの工場をSMTラインのトレーサビリティに対応させており、ボックス製造にも拡張する予定です。さらに、別の2つの工場にも展開する計画を立てています。導入から2年もたっていませんが、ROIは既に表れつつあります。

Meta SystemのROIは、以下の5大分野で得られています。

  1. 計算に関する問題の低減
    ERPシステムでは通常、倉庫を離れた材料に対しては管理が不十分になります。vManageは、ショップフロアにおける材料の量を正しく計算し、正確なリアルタイム・データをERPに返すことにより、大きな価値をERPシステムに追加しています。
  2. キッティング・エラーの解消br/>vManageは、製造で使用される実際の実装装置プログラムが統合された標準化プロセスを構築します。適切なフィーダ・タイプと適切な部品番号の使用を管理し、ロットサイズに適した数量を確保します。部品番号とフィーダ位置は、実際のプログラムに基づいて実装装置インタフェースから取得します。
  3. 標準的な在庫処理プロセスの自動化br/>登録された材料のみ倉庫エレベータへの搬入が可能であり、vManageはこのプロセスを制御し、トランザクション量を管理します。現在、プロセスは標準化されているので、スタッフ間で方式や技術が異なっても、データにばらつきは生じていません。
  4. 手動の部品カウントを排除br/>手動カウントはエラーの元であり、コストがかかります。vManageは、破棄を含め実装装置で材料が消費される際に、自動的にカウントを行います。余分な材料が倉庫に戻されたときでも、残量は正確に把握されています。「予期せぬ」不足で実装装置が停止することがないので、時間の損失も低減しました。
  5. 同一形状の部品におけるセットアップ・エラーの解消br/>実装装置ビジョンシステムは、コンポーネント形状のキャプチャ画像に基づいて動作します。ただし、形状が同一だが電気的な値が異なる部品も数多く存在します。サイズが小さすぎて識別可能なマーキングを持たない部品の場合は特に、人間の目では誤りが生じやすくなります。vManageは、リールIDにリンクされた部品番号をプロセスの最初から管理し、実装や、それ以降の倉庫への返品とキッティング・サイクルの全体にわたって継続的に部品番号を追跡します。リールが実装装置に配置されると、閉ループ・システムは、そのとき実装装置上で実行されているプログラムに従って、適切な部品番号を適切な位置にロードします。
 
「これは最高のプロジェクトです。これまでMeta Systemで見てきた中で最も成功を収めたソフトウェア・プロジェクトです。」

 

Meta System、VP Global Production、Pedroni氏

 

Meta Systemについて

Meta Systemは、自動車/エネルギー市場向けに高度な電子セキュリティ・システムを開発、製造している電子機器OEMです。設計、開発から製造、品質管理に至るまで、製品ライフ・サイクル全体を提供し管理しています。自動車業界では、オンボードのテレマティクスやGPS車両追跡システムのリーダ的存在です。