メンター・グラフィックス、Veloce Power Applicationで
パワー解析フローを一新

2015年05月28日

メンター・グラフィックス・コーポレーション(本社: 米国オレゴン州、以下メンター・グラフィックス)は、複雑なSoC設計のシステムレベル、RTL、ゲートレベルの高精度なパワー解析を適切なタイミングで効率的に実行する、Veloce® Power Applicationを先行リリースしました。

バッテリーの長い寿命を必要とする高解像度スクリーンを搭載したハンドヘルドデバイスやスマートデバイスにとっての最大の関心事は依然として消費電力であり、電源が供給されるデータセンターやネットワーク構成内の機材でさえも、稼働コストを削減する必要性に迫られています。FinFETプロセス技術を用いるとスタティックなリーク電流を削減できますが、ダイナミックな消費電力は課題として残ります。

ハンドヘルドデバイスやスマートデバイスにおける新たな使用モデルが、パワー解析メソドロジのシフトを引き起こしています。その最大要因は実アプリケーションを用いた複雑なSoC設計の検証であり、そのためにはエミュレータ上でOSを起動してソフトウェアアプリケーションを実行しなければなりません。エミュレーション時に生成されるスイッチングアクティビティのプロットを用いて、電力の問題の可能性を評価するパワー解析ツールにリアルタイムにスイッチング情報を渡す方が、旧来手法に比べより効果的です。

Gary Smith EDAの創業者で主任アナリストのGary Smith氏は、以下のように述べています。「私が手掛ける多数の主要研究プロジェクトの1つであるITRSレポートでは、数年にわたってダイナミックな消費電力に関連する問題を強調してきました。エミュレーション実行中に得られるスイッチングデータを取り込んで転送する新しいアプローチは、業界にとって正しい方向性を示しています。」

既存メソドロジを用いて大規模なソフトウェアコンテンツを含む設計をエミュレータ上で実行すると、生成されるアクティビティデータファイル(FSDBなど)は、パワー解析ツールで処理できないほど大容量になってしまいます。Veloce Power Applicationは、ファイルを基軸としたパワー解析フローに代わり、Dynamic Read Waveform APIを用いてパワー解析ツールと統合されたフローを実現します。このアプローチでは、スイッチングアクティビティのプロットから情報を取り込み、そのデータをパワー解析ツールに転送します。この結果、システムレベルでの消費電力を正確に算出し、RTLでのパワーバジェットとトレードオフの探索を改善するほか、ゲートレベルにおけるパワー解析とサインオフの精度を高めます。

Veloce Power Applicationがもたらすこの新しいアプローチは、ランタイムと性能を大幅に改善します。エミュレータの実行、ファイルの作成、パワー解析ツールへのファイル読み込みと解析実行という典型的なアプローチは、エミュレータの実行およびパワー解析という単純なフローへと置き換えられます。先行して製品提供したパートナー企業と顧客では、ランタイム性能が最大で4.5倍増加したという成果が出ています。

「メンター・グラフィックスは、パワー解析フローを一新しました。Veloce Power Applicationは、エミュレーション実行中の実際の消費電力を取り込み、その情報をパワー解析ツールに効果的に渡すという新しいメソドロジのより秀れた効率を示す確かな証拠です。」メンター・グラフィックス、Mentor Emulation Division、Vice President and General Manager、Eric Selosseは、上記のように述べています。

業界で認知度のあるパワー解析ツールプロバイダのエコシステムとの統合は、パワー解析フローの新しいあり方を定義する上で非常に重要です。Veloce Power Applicationの最初のエコシステムパートナーは、PowerArtistソリューションを展開するANSYSです。

「今回の協業は、電力効率の高いIPおよびさまざまなIoTバーティカルマーケット向けSoCの設計者が抱えている課題に対応します。ANSYSの業界をリードするPowerArtistソリューションが、メンター・グラフィックスVeloce Power Applicationエコシステムの最初のパートナーとなり、ハードウェアエミュレーションのテクノロジリーダーと密接に協力できることは喜ばしいことです。」ANSYS、Apache Division、RTL Power Business、Sr. Vice President and General Manager、Vic Kulkarni氏は、上記のように述べています。

Veloce Power Applicationは、ANSYSのPowerArtistと統合されており、両社の顧客に制限付きで提供しています。同製品の正式リリースは、2015年の暦年第4四半期初めを予定しています。

Veloceエミュレーションプラットフォームについて
Veloceエミュレーションプラットフォームは、ASICとSoCの機能検証の生産性を高めるプラットフォームである、Mentor® Enterprise Verification Platform(EVP)の中核テクノロジとなっており、包括的なプラットフォーム内に高度な検証技術を備えています。

メンター・グラフィックスについて
メンター・グラフィックス・コーポレーションは、世界中で成功を収めている電子機器メーカー、半導体企業、電子システム構築ベンダのニーズに応える製品をはじめとし、コンサルティングサービス、受賞歴を誇るサポートサービスを提供する、電子ハードウェアおよびソフトウェア設計開発ソリューションのグローバルリーダーです。1981年に設立されたメンター・グラフィックスは、過去12ヶ月間の売上高としておよそ12.4億米ドルを計上しており、本社はアメリカ合衆国オレゴン州ウィルソンヴィルに所在しています。メンター・グラフィックスについての詳しい情報は、www.mentorg.co.jpをご覧ください。

Mentor GraphicsはMentor Graphics Corporationの登録商標です。その他記載されている製品名および会社名は各社の商標または登録商標です。

 

機能検証について

 

本件に関するお問合わせ

メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社
マーケティング部
エリソン 有理
E-mail: yuri_ellison@mentor.com