News and Views 2012 Winter

[FEATURE-1 | Mentor Consulting Service – IC Nanometer Design]

32nm以降のテクノロジでの歩留まり早期安定化
メンター・グラフィックスのコンサルティング・サービスを活用したCalibre DFM統合事例

半導体製造分野では、より微細なシリコン・デバイスの設計を可能にする新たなテクノロジ・ノードの導入が着実に進んでいます。しかし、その実現のために、プロセスの複雑さは劇的に高まり、その悪影響で製品のシリコン歩留まり早期安定化が妨げられ、タイミング良く適切な品質で新しいテクノロジを製品化することが困難になってきています。
本稿では、Calbre® DFM(Design for Manufacturability)解析を用いた、論理テストの結果からプロセスを調整するシステマティック歩留まり早期安定化フローを紹介します。

概要

図1:テクノロジ・ノードの進化に伴うシリコン構造のサイズと性能に対する<br/>
相対的なばらつき増加の一般的な傾向図1:テクノロジ・ノードの進化に伴うシリコン構造のサイズと性能に対する
相対的なばらつき増加の一般的な傾向

シリコン上で所定の設計を実現するには、フォトリソグラフィ、エッチング、クリーニング、CMPなどの多数の製造ステップが必要です。これらの各ステップがウエハ上の数百万の異なる構造に適用されるため、ステップを実行するごとに構造間にばらつきが生じるのは避けられません。高度な製造技術の進化により、このばらつきは、より厳密に制御できますが、あるテクノロジ・ノードから次のテクノロジ・ノードへ遷移するペースが早まるにつれ、ウエハのクリティカル・ディメンジョンの値は小さくなります。その結果、32nm以降の最先端テクノロジでは、このばらつきが原因で、機能上の許容範囲を超える構造の数が増加し、歩留まり問題を引き起こす可能性があります。図1は、テクノロジ・ノードに対する相対的なばらつき増加の一般的な傾向を示しています。

図2:典型的な歩留まり立ち上がりフロー図2:典型的な歩留まり立ち上がりフロー

ファウンドリにおいて、新しいテクノロジ・ノードを用いた新規設計の製造歩留まりを安定化させる際には、通常、前述のさまざまなプロセスステップでの1つ以上のばらつきに起因する歩留まり制約要因が存在します。図2は、歩留まり立ち上がりの典型的なフローを示しています。このフローは、故障が疑われる位置を特定することを目的としています。これらの位置は、故障の原因をチェックし特定するための物理解析時に役立ちます。原因が特定されれば、全体的な歩留まりの早期安定化に向けたDMFルールとして検証に加えられ、このタイプの故障を回避することができます。

DFT(Design for Test)を使用して、故障が疑われる位置をリストアップできます。DFTを実行すると通常、設計ネット、つまりDFT診断によって故障が疑われる位置としてマークされたネットのリストが出力されます。ばらつき総数が増加するにつれて、設計ネットのこれらのリストも長くなります。この増加は、物理解析の長時間化につながります。つまり、原因の特定、修正措置、歩留まり立ち上がりに必要なサイクルタイムが長くなります。Time-to-Marketは半導体アプリケーションの収益性を高める上で重要な要因であるため、このようなサイクルタイムの長時間化は、大幅なコストの増加を招く恐れがあります。

ネットベースのDFMアプローチ

ネットベースのDFMアプローチは、従来の歩留まり早期安定化技術では、製造に適した歩留まり立ち上がりを実現する競争力の高いサイクルタイムを達成できないという認識に立っており、歩留まり制約要因の位置と原因の迅速に特定します。その結果、最先端シリコン・テクノロジの歩留まりを早期に安定化させるために、Calibre® DFMツール群を使用したネットベースのDFMフローを統合しました。メンター・グラフィックスのテクノロジを個別の顧客ニーズに合わせてカスタマイズする、メンター・グラフィックスのコンサルティング・サービスにより実現できました。

図3は、歩留まり制約要因を特定するフロー全体を示したものです。赤い線は、DFT診断の結果、サスペクトと判断されたネットまたはネットの各部分を表しています。各サスペクト・ネットは、他の設計ジオメトリとの相対的な位置と方向がその設計に与える影響を維持するために、必要なレイアウト・コンテキストと一緒に抽出されます。その後、これらのサスペクト部分はCalibre DFMツール群によって解析されます。

図3:歩留まり制約要因を特定するためのネットベースのDFMフロー図3:歩留まり制約要因を特定するためのネットベースのDFMフロー

各種Calibre DFMツールの結果から計算されたDFMスコアを使用して、サスペクトのリストが優先順位付けされます。このリストは、後の物理解析のステップで使用します。図4は、ネットベースのDFMフローから得たDFMスコアとDFTを組み合わせて、故障位置を後で迅速に特定する効率的な物理解析で使用できるようなサスペクト・プライオリティ・リストが作成される様子を示しています。

図4:ネットベースのDFMフローを使用したサスペクトの削減と優先順位付けされたフロー図4:ネットベースのDFMフローを使用したサスペクトの削減と優先順位付けされたフロー

まとめ

図5:修正された歩留まり制約要因の識別および歩留まり立ち上がりの修正フロー図5:修正された歩留まり制約要因の識別および歩留まり立ち上がりの修正フロー

最先端の32nm以降のテクノロジで従来の歩留まり立ち上がりフローを引き続き使用すると、アプリケーションを市場に投入するまでの時間が大幅に遅れ、開発コストが劇的に増加します。Calibre DFMツール群を使用した歩留まり早期安定化の革新的なフローは、Calibre DFMツール独自の機能を利用して開発され、プロセス条件ごとのレイアウト性能を解析し、歩留まり制約位置を特定できます。非常に高機能なCalibre DFMツール群とメンター・グラフィックスのコンサルティング・サービスにより、最先端32nm以降のテクノロジの効率的な歩留まり立ち上がりを実現することができます。これにより、シリコン・アプリケーションのTime-to-Marketが短縮され、これらのテクノロジの所有コストが最適化されます。

コンサルティング・サービスについて

メンター・グラフィックスのコンサルティングチームは、EDAのインフラストラクチャおよびメソドロジのエキスパート集団で、知見や経験をお客様にお届けすべく日夜務めるパートナーです。ナレッジ・ソーシングというアプローチは、コンサルティングとして用いられたメソドロジに対する習熟や高度な記述をお客様にもたらしています。コンサルティングのサービスは多岐に渡り、シリコンにおける歩留りの改善、検証、データ管理、ケーブリング、メモリ設計、システムやPCB設計などが含まれます。設計生産性を最適化し、業界における最先端のベストプラクティスの採用に取り組むお客様に、これらのサービスがワールドワイド規模で活用されています。